自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑で、7日、東京地方検察庁特別捜査部は、清和会(安倍派)に所属する池田佳隆衆議院議員が政策秘書と共謀し、政治資金収支報告書にうその記載をしていたとして、池田議員と政策秘書の2人を政治資金規正法違反の疑いで逮捕した。

 自民党は池田氏を同日、除名処分にした。

<池田容疑者は同時に逮捕された秘書と共謀して、一昨年までの5年間に派閥から約4800万円をキックバックされたが、それを資金管理団体の収支報告書に記載していなかった疑いがある。/裏金問題が浮上してから池田容疑者は雲隠れ。東京地検特捜部は逮捕に踏み切った理由に、証拠隠滅の恐れを挙げている。現在、池田容疑者の「X」(旧ツイッター)は非公開になっている。インスタグラムは公開されているが、昨年11月下旬を最後に更新がストップ。それまでは頻繁に更新していたのにもかかわらずだ>(1月9日東スポWEB)

 池田氏は戦略があって雲隠れしていたのではなく、睾丸(キンタマ)が縮みあがって身動きが出来なかったと筆者は見ている。

 一昔前は、特捜検察が政治家を捕まえる場合は「サンズイ」を目指すというのが暗黙の前提だった。サンズイとは、汚職、特に贈収賄のことだ。政治資金規正法で逮捕することがあったとしても、それは別件で、本命はサンズイだというのが、特捜検察でも検察担当記者の間でも業界常識だった。

 どうも特捜文化が、今回の政治資金パーティー券疑惑をめぐって変化したようだ。

 一昔前までの政治資金規正法違反は、手続き法違反に過ぎないという理解ではなく、これ自体が重大な犯罪と見なされるようになった。確かに政党交付金が開始されてからは政治資金に国民の税金も加わっているので、その使途については透明にすべきであるという理屈が働くのは当然だ。

 もっとも政党交付金制度が導入されたのは30年前の1994年だ。その運用が最近厳しくなったのには、別の理由があると思う。それは庶民の経済状態が苦しくなってきているからだ。政治家がパーティーで巨額のカネを得ているのが怪(け)しからんという国民感情を特捜検察は追い風にしている。こんな捜査ばかりしていると、カネを集められない力のない政治家は生き残れなくなる。