〝美ジャンプ〟の秘密とは? フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、カナダ・モントリオール)の代表選考会を兼ねた全日本選手権最終日(24日、長野・ビッグハット)、女子フリーは坂本花織(23=シスメックス)が154・34点をマークし、合計233・12点で3年連続4度目の優勝を果たした。

 最終滑走の坂本は3・5メートル以上の飛距離を誇るダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を着氷させると、最後まで力強い演技で観客を魅了。「最後まで大きなミスなく滑り終えたのでホッとしている」と振り返った。世界選手権2連覇中の坂本はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や4回転ジャンプを演技に組み込んでいないが、抜群の身体能力と持久力を生かした精度の高いジャンプが魅力。特にダブルアクセルは「世界一美しい」と称されるほどだ。

 その坂本のダブルアクセルについて、運動療法に詳しい早大スポーツ科学学術院の金岡恒治教授は「体幹やバランス能力がすごいのは当然だが、スピードに乗ってジャンプをして回っている。運動エネルギーをうまくジャンプに使っているし、どれだけ美しく見せるかという点でも、より高いレベルの体の使い方をしているのでは」と指摘した。

 さらに金岡教授は陸上の「走り幅跳び」に近い体の使い方が印象的だと明かす。「飛距離が出せるのは、ジャンプをする際にスピードが乗っているから。滑ってきたスピードをそのままジャンプに生かすことで、滑ってきた速度がそのまま飛距離につながっているのだと思う。走り幅跳びも走ってきて、そのまま地面蹴って、スピードを生かして前に跳ぶので」と分析。まさに理にかなった形でジャンプを跳んでいるというわけだ。

 今大会の優勝で世界選手権の代表に内定した坂本は「自分の見せ方を追求して結果として表れた。それが今季の自分の強みかな」。世界選手権3連覇へ、まずは最初の関門を突破した。