赤から青へ――。エンゼルスからFAになっていた大谷翔平投手(29)は9日(日本時間10日)にドジャースと契約合意したことを自身のインスタグラムで発表した。

 所属先の代理人事務所CAAによると、契約は10年総額7億ドル(約1015億円)。個人の契約としては、北米4大プロスポーツ史上最高額で、年俸7000万ドル(約101億円)も最高だ。日本選手初の本塁打王に輝き、史上初の2度の満票MVP受賞、ベーブ・ルースも達成できなかった2年連続2桁勝利&2桁本塁打など、MLBの歴史を塗り替え続けているだけに、記録的な契約は当然だ。

 予想通りの決着だった。ブルージェイズ、カブス、ジャイアンツ、エンゼルスが最終候補と報じられる中、大谷は争奪戦前から本命視されていたドジャースを選んだ。ドジャースは11年連続でプレーオフに進み、2020年にワールドシリーズを制した。しかし、ここ2年間は続けて100勝以上マークしていながら、リーグ優勝決定シリーズ進出を逃している。プレーオフ慣れした常勝軍団を変えることができるのは、過去6年でポストシーズンを1度も経験していない〝勝利を渇望している〟大谷だけだろう。

 今季は投手として10勝5敗、防御率3・14、167奪三振をマーク。打者では打率3割4厘、44本塁打、95打点で、日本選手初の本塁打王に輝き、21年以来2年ぶりのア・リーグMVPを史上初の2度目の満票で選出された。しかし、9月に右ヒジを手術したため、来季は打者に専念する。

 当初はウインターミーティング開幕直後との早期決着を予想する報道が目立っただけに、時間がかかった印象だ。おそらく大谷にとっての最優先事項は、日米のメディアやファンが注目した金額ではない。重視したのは、まずはプレーオフに進出できること。ドジャースなら申し分ない。カルフォルニアの気候が好みと米メディアで定説になっており、アナハイムから近いロサンゼルスなら、環境への対応は不要だ満足だ。

 起用法やプレーする環境、つまりマウンド復帰が見込まれる25年以降、投打二刀流を継続できるかどうかということは、最も譲れないポイントだ。おそらく、エンゼルスのようにフリーパスとはならなかっただろうが、折り合った。

 また、9月に2度目の手術を行った右ヒジ手術もポイントになっただろう。ドジャースにはトミー・ジョン手術を受けた投手のリハビリデータが蓄積されており、手術を執刀したニール・エラトルッシュ医師はドジャースのチームドクターだ。

 契約年数によれば、今回が野球人生において最初で最後のFA交渉の可能性もある。納得するまでじっくり交渉したということだ。大谷は自身のインスタグラムで「現役最後の日まで、ドジャースだけでなく球界のためにも前を向いて頑張っていきたいと思います」と生涯ドジャースを誓った。

 11月2日(同3日)にFA選手と公示されてから37日目の決着。大谷はメジャー7年目で念願のヒリヒリした戦いに身を置くことになる。後日、開かれる記者会見で大谷がどんな思いを明かすのか楽しみだ。