新横綱誕生はなるか。大相撲九州場所千秋楽(26日、福岡国際センター)、大関霧島(27=陸奥)が13勝2敗で4場所ぶり2度目の優勝を達成。大関として初めて賜杯を抱き、来年1月の初場所では綱取りに初挑戦する。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は、今場所の霧島の強さを徹底分析。横綱昇進の条件となる2場所連続優勝にも太鼓判を押した。

 霧島が今年最後の相撲を白星で締めくくり、自ら優勝に花を添えた。1差で追う幕内熱海富士(21=伊勢ヶ浜)が先に敗れて自身の優勝が決まっても、集中力は途切れない。大関貴景勝(27=常盤山)との結びの一番では、鋭く踏み込んで突き起こすと、前のめりになった相手を落ち着いて突き落とした。今年の62勝目を挙げ、単独での年間最多勝も確定させた。

 新大関で臨んだ名古屋場所は右肋骨のケガで初日から休場。途中出場して負け越しに終わった。初のカド番で迎えた秋場所も、9勝どまりで優勝争いに絡めず。師匠の陸奥親方(元大関霧島)から大関昇進を機に譲り受けたしこ名で初めて賜杯を抱いた霧島は「うれしい。素晴らしい名前をいただき、一度優勝したいという思いがあった」と感慨深い表情を浮かべた。

 秀ノ山親方は今場所の霧島について「千秋楽の一番も突き押し相撲の貴景勝に当たり負けしなかった。立ち合いで押されなくなったのは地力をつけた証拠。今場所は前さばきのうまさに加えて、下から粘り強く攻めて自分の形になるまで我慢する辛抱強さがあった。相手からすれば、ジワジワと自分の力を削られていくような感覚。ねちっこい攻めは現役時代の鶴竜親方と姿が重なって見えた」と高く評価した。

 今場所前の霧島は精力的に出稽古を敢行。秀ノ山親方は、大関の相撲に取り組む姿勢も今回の優勝を引き寄せたとみる。「2場所前には豊昇龍が優勝して大関に上がり、先場所は貴景勝が優勝。次は絶対に自分が上に抜け出すんだという気持ちが表れている。自分の強みを出して勝つ相撲を徹底的に磨いてきたのでは。小手先だけで目の前の相撲を勝っても、もう一つ上の番付は目指せないことを自覚している」と指摘した。

 横綱昇進を果たすためには、2場所連続優勝が条件となる。秀ノ山親方は「実力で勝っているから、本物の勢いを感じる。しっかり体調を整えて自信を持って臨めば、可能性は十分にあると思う」と太鼓判を押した。その霧島は初の綱取り挑戦へ向けて「いつも通りに、しっかり稽古して頑張る」と意欲十分。番付の頂点を目指す戦いに注目だ。