元横綱が〝静観〟する理由とは? 大相撲名古屋場所11日目(19日、愛知県体育館)、新大関霧島(27=陸奥)が大関取りに挑む関脇大栄翔(29=追手風)をはたき込んで5勝目(4敗2休)。途中出場ながら、3連勝で来場所のカド番回避へ光が見えてきた。取組後の霧島は「あと4日あるし、一日一番で頑張る」と意気込んだ。

 今場所は右肋骨のケガの影響で初日から休場。4日目から強行出場に踏み切った。一方で、横綱大関陣の中で新大関だけが出場するのは極めて異例の事態。結果次第では批判の矢面に立つ覚悟で土俵に立ち続けている。そんな中、兄弟子で部屋付きの鶴竜親方(37=元横綱)は霧島に対して「ああだ、こうだは言っていない」と静観の構え。その理由について、次のように説明している。

「誰かに言われるのと、自分で肌で経験するのとでは違うから。どういうものかは、実際に体験してみないことには分からない。その経験が、次に生きてくる」。鶴竜親方自身、かつては何度も〝逆風〟に立たされた。横綱時代には優勝から遠ざかるあまり、当時の師匠だった井筒親方(元関脇逆鉾)から進退の決断を迫られたこともある。

 数々の試練を乗り越えて、優勝を6回達成。自らの経験を踏まえ、霧島への過度な助言を控えているというわけだ。その兄弟子の思いに、新大関は応えることができるか。