大相撲名古屋場所千秋楽(26日、愛知・IGアリーナ)、関脇安青錦(22=安治川)が、壮絶な死闘の末に3度目の賜杯をつかみとった。

 優勝決定巴戦の2巡目、大関霧島(音羽山)に勝てば優勝が決まる大一番。安青錦は低く当たって頭をつけながら左下手を引くと、左足をかけて崩しながら寄り切った。十両以下の決定戦が長引いた影響で取組の進行が大幅に遅れ、優勝が決まったのは通常より30分以上も遅い午後6時10分ごろ。表彰式前に安青錦は支度部屋に戻る時間がなく、東の花道奥で大銀杏(おおいちょう)を結い直したほどだった。

 満身創痍だった。大関カド番だった夏場所は、左足首の故障で全休。関脇に転落した今場所8日目には、新たに左足親指を負傷した。11日目に10勝目を挙げて1場所での大関復帰を決めても、休場はせず。千秋楽は勝てば優勝が決まる本割で、1差で追う関脇熱海富士(伊勢ヶ浜)に押し出されて決定戦に突入した。それでも巴戦の初戦で熱海富士を寄り切ってVに王手をかけると、続けて霧島に快勝。1日3番の消耗戦を驚異の精神力で乗り切った。

 表彰式の優勝力士インタビューでは「やり切ったなという感じです。ケガしてから休場して、大関から陥落で。師匠(安治川親方)に10番じゃなくて優勝を目指して頑張ろうと言われたので。ここで優勝できて、すごくうれしいです」と喜びもひとしお。「我慢強く自分らしい相撲を取れたんで、それが結果につながった。ケガをして関脇まで落ちて、悔しさがあった。『自分はここで終わる人間じゃない』という思いが強かった」と胸を張った。

 大関で臨む来場所へ向けては「安青錦らしく我慢強く相撲を取って、一番上の番付を目指していきます」と力強く宣言した。