大相撲夏場所10日目(19日、東京・両国国技館)、幕内翔猿(34=追手風)が幕内阿炎(錣山)を破って、8勝目(2敗)を挙げた。阿炎にいなされて一回転したが、突き落としで逆転勝利を収めて「よく動いていた。ちょっとヒヤッとしたけど、体勢を立て直せたので良かった」とうなずいた。
4場所ぶりの勝ち越しとなり「久しぶりだなと。うれしいです。しっかり集中して、自分の相撲が取れている」と充実した表情。この日、唯一の1敗だった大関霧島(音羽山)が敗れたため、優勝争いは2敗で6人が並ぶ大混戦となった。
追手風部屋付きの北陣親方(元小結遠藤)は、日大時代からの2学年後輩の弟弟子についてこう分析する。「特に何か変わったことをしているとは思えないけど、何より白星が一番いいきっかけになっているのでは。相撲内容というよりも、勝つと気持ちが上がってくる。白星を積み上げて、気分よく相撲が取れていると思う。関取衆には自分のペース、考え方があるので、特段何か僕から伝えることはない」
北陣親方は、長年苦しんだ両ヒザのケガの影響で昨年11月に引退。このほかにも同部屋では今年に入り大奄美、大翔鵬、剣翔といった元幕内力士が現役を退いた。
それだけに翔猿に対し「だんだんそういう年齢にもみんな差しかかっているので、少しでも長く悔いのない現役人生を送ってもらえたら」とエール。翔猿も「寂しいけど、みんなの気持ちを背負って土俵に上がってます」と闘志を燃やした。
土俵を去った仲間たちの思いを背に、初の賜杯を目指す。













