和製大関に〝喝〟だ。大相撲夏場所11日目(20日、東京・両国国技館)、大関琴桜(28=佐渡ヶ嶽)が幕内正代(34=時津風)に送り出されて8敗目。4日間を残して早々と負け越しが決まり、来場所のカド番が確定した。兄弟子にあたる元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)は琴桜の相撲内容を徹底分析。弟弟子が勝てなくなった要因を指摘した。

 完敗だった。琴桜は胸から当たって前に出ようとしたが、正代に下からあてがわれて攻め切れない。いなされて背中につかれると、そのまま送り出されてあっけなく土俵を割った。取組後の支度部屋では意気消沈。取材対応せずに国技館から引き揚げた。千秋楽まで4日間を残し、早々と負け越しが決定。7月の名古屋場所は2度目のカド番で臨むことになった。

 秀ノ山親方は琴桜の相撲について「相手に圧力が伝わっていない。今場所は下からおっつけられて上体が浮き、慌てて墓穴を掘る場面が目立つ。この日も正代にあてがわれて腰高になったところを攻められた」と分析。「考え込んで自分の形にしようと思いすぎているのでは。本来は前さばきがうまい力士。焦りや不安が余計な力みとなり、持ち味が消えてしまっている」と指摘した。

 琴桜は一昨年の九州場所で賜杯を抱いたのを最後に、長い低迷期に突入。優勝争いに加われず、大関のノルマとされる10勝さえ1度しかクリアできていない。しかも、横綱が不在となった今場所は大関陣が土俵を引っ張る立場。ふがいない相撲が続く琴桜は、一部のファンから厳しい批判にさらされている。

 秀ノ山親方は兄弟子、そして先輩大関の立場から「琴桜が感じているもどかしさは、痛いほど分かる。ただ、周りからの批判も全て受け入れた上で戦うのが大関という地位。苦しさから逃げずに向き合って、自分で切り開いていくしかない。今の状況を覆せるのは自分だけ。精神的に追い込まれても、乗り越えなければ上の地位は目指せない。その覚悟が問われている」と力説する。

 さらに「結果が出ないということは、稽古が足りていないということ。大関に上がると自分のペースで稽古ができるようになるけれど、そこに甘えてはいけない。琴桜も稽古を積み重ねてきたから今の地位がある。その原点を思い返して取り組んでほしい。来場所はカド番の脱出ではなく、優勝を目指す気持ちで。そうすれば、おのずとやるべきことは決まってくる」とゲキを飛ばした。

 果たして、琴桜は長期低迷から抜け出すことはできるのか。和製大関が正念場を迎えている。