射止めるのはどの球団か。DeNAの今永昇太投手(30)が13日に本拠地・横浜スタジアム内で会見を行い、ポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを正式表明した。今季は自身初となる最多奪三振のタイトルを獲得。今春のWBC決勝で先発し、米国相手に勝利投手になるなど侍ジャパンの世界一奪還にも大きく貢献した。そんな日本屈指の左腕を巡り、資金力豊富な米西海岸の2球団が「有力候補」となって水面下でし烈な獲得競争を繰り広げているという。

 日本を代表する左腕が、ついに公の場で熱い思いを口にした。紺色のスーツと「DeNAカラー」の水色ネクタイに身を包んだ今永は「本日はお忙しい中、足を運んでいただき本当にありがとうございます。私、今永昇太はポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを報告いたします」と一礼。その後、大きな決断に至った経緯を語り始めた。

 球団側とは2019年頃から、米移籍に向けた話し合いを継続的に行っていた。毎オフの契約交渉の場では「(米移籍の)夢はどうなったのか」と、たびたび球団側からも後押しされていたという。今永は「このポスティングを快く承認してくださった球団をはじめ、球団スタッフの方々、本当にありがとうございます」と謝意を示し、ファンに対しても「良い時も悪い時も声援をいただいたので。これからもそういう声援をいただける選手でありたいと思う」と頭を下げた。

 希望する移籍先については「自分の可能性が無限大に広がる。そういうチームが一番最適かなと思う」と明言。地域やリーグは問わないものの、自身が成長、躍進できる球団でプレーしたい意向を示した。

 今後は代理人とともに、自身の胸の内を反映できる球団探しが始まる。実際、どの球団が左腕の獲得に動くのか。ある米球団のスカウトに聞くと「現時点では複数球団が獲得に意欲的」と前置きした上で、こう続ける。

「今永は国際大会の経験や実績も豊富な上、日本のボールより滑ると言われるMLB球への苦手意識もない。メジャー1年目から計算が立つ投手ということで、年俸ベースでおよそ10億円プラス複数年契約が妥当と言われている。そうなると、今永を獲得できる球団は資金力がある球団に限られてくる」

 メジャーで「資金力のある球団」と言えばドジャース、ヤンキース、マリナーズ、ジャイアンツ、メッツ、カブスなどが浮上してくる。これらのチームが今永獲得に手を挙げる有力候補になりそうだが、前出スカウトはさまざまな要因を分析した上で「マリナーズとジャイアンツの一騎打ちが濃厚」という。

会見で多くの報道陣に囲まれた今永(左)
会見で多くの報道陣に囲まれた今永(左)

「ドジャースは現時点で今オフにFAとなった大谷(翔平=エンゼルス)の獲得に全力を注いでいる。また、ヤンキースもキャッシュマンGMが山本(由伸=オリックス)の獲得に並々ならぬ意欲をのぞかせている。こうなると残りはマリナーズ、ジャイアンツ、メッツ、カブスの4球団だが、今永に関しては『気候と生活環境がいい西海岸が希望』という情報が米国内で流れている。最終的にはマリナーズ、ジャイアンツのどちらかとウワサされている」

 会見で「個人的な希望球団や地域はあるか」との質問を向けられ、今永は「それはどこもない」と明言。その一方で米国での生活について「不安は正直ある」とも述べており、その一例として食事面を挙げていた。

「食事は(今オフに)アメリカに1週間行った時に、何も考えないで食生活をすると胃もたれしたり、少し野菜が減ってしまったりというのがあった。そういうところを直さなければいけないと思ったので」

 マリナーズの本拠地シアトルやジャイアンツの本拠地サンフランシスコは日本人が多く、日系スーパーも充実している。治安も良好で日常生活に不安はないだけに、今永にとっては最適な球団と言えそうだ。

 果たして、この2球団がやはり「本命」となるのか。間もなくゴングが打ち鳴らされる今永争奪戦。その成り行きが注目される。