F1アルファタウリの角田裕毅(23)がブラジル・グランプリ(GP)で見せた〝衝撃走〟に注目が集まっている。決勝で9位入賞を果たし、その前に行われたスプリントレースでの6位と合わせて大量5ポイントを獲得。モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(61)は、入賞を逃した前戦メキシコGPから立て直した精神面の成長を高く評価した。

 角田はまず、4日(日本時間5日)に行われたスプリントレースで6位入賞。5日(同6日)の決勝は16番手スタートだったが、レース序盤に起きたアクシデントの間隙をぬってジャンプアップ。その後も安定した速さを見せて9位入賞を果たした。2レースで合計5ポイントを獲得し、今季最高の週末となった。

 小倉氏は角田の快走について「マシン自体がシーズン終盤のアップデート(改良)の効果が出始めている。とはいえ、劇的に変化するわけではない。角田選手がうまく結果につなげたと言える」と高く評価した。

 特に強調するのが決勝の走りだ。「レース中にクラッチの問題が起きる中で、終盤はマシンを(慎重に)いたわりながら、それでも(ルイス)ハミルトン(メルセデス)を追い詰めていた。本来ならもう少し速く走れていたし、もしかしたら8位もあった」と指摘。積極的に攻められない窮地でもしっかり結果を残したことで「チームからの信頼は大きくなる」と太鼓判を押した。

 10月末の前走メキシコGPでは7位に入った同僚のダニエル・リカルドとは対照的に、角田は12位と凡走に終わっていた。その直後のレースで見事に巻き返したことは大きな意味を持つ。

「メキシコでは焦りもあったことが反省点だが、ブラジルでは一転して落ち着いたレース展開ができていた。失敗から立て直せて、また一つ成長したと思う」。これまでは精神面でムラもあったが、きっちり切り替えができて結果を出したことは一流ドライバーの証しと言える。

「今回の角田の働きは、海外でも評価が高い。ライバルになるチームも、自分たちにとって脅威になると受け止めているだろう」とブラジルでの快走はF1界でさらに存在感を放つきっかけになりそうだ。

 角田は「今はいいリズムに乗っている。シーズン最後の2レースに向けて、その勢いを維持することが重要だ」と闘志をみなぎらせている。次走ラスベガスGP(決勝18日=日本時間19日)が楽しみだ。