【取材の裏側 現場ノート】バレーボール男子日本代表の〝神対応〟は、記者の想像をはるかに上回るものだった。
8日に閉幕した2024年パリ五輪予選を兼ねたバレーボール男子W杯(東京・国立代々木競技場第一体育館)の2戦目で格下のエジプトにまさかの敗戦を喫しながらも、通算5勝2敗のプールB2位で2大会連続となる五輪切符を奪取した。大会期間中は石川祐希(ミラノ)、高橋藍(日体大)などの有力選手を一目見ようと、会場は連日超満員。バレーボール関係者からは「アイドル並みの人気ですね」との声が漏れたほどだった。
なぜ、ここまで多くのファンから注目を集めているのか。端正なルックス、世界の舞台で結果を残す勝負強さなどが要因に挙がる一方で、記者は各選手の人柄も認知度拡大に一役買っているとの認識だ。
主要国際大会で46年ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得した6~7月のネーションズリーグ(VNL)では石川の気配りが見えた。ある日の試合後は、自身のサインが書かれたボールを観客にプレゼント。その際に観客席へ向かってロングスローを披露した。大会関係者は「『どこまで投げるんだ?』と肩の強さにもびっくりしたが、遠くに投げようとする優しさが伝わってきた」と当時を振り返る。
さらに大会前には女性ファッション誌「anan」で高橋とともに表紙を飾るなど、さまざまな角度から盛り上がりに寄与。ある出版関係者は「もともと媒体を買っている人が、これまで知らなかった選手が誌面に登場しているのを目にすることで、興味を抱くきっかけになるのでは」と大絶賛だった。
石川の姿勢は後輩たちにも引き継がれている。男子W杯の試合後にミックスゾーンで高橋を取材していると、ある記者が遠い位置から質問。すると、高橋は向きを45度変えた上で、数歩ズレてその記者の質問に答えていた。五輪競技を取材して約4年がたつが、ここまで気の回る選手はほとんど見たことがない。
競技以外でも一流の振る舞いを見せる選手たち。パリ五輪での大躍進に期待したい。











