衆参2補選の投開票が22日に行われ、自民党の1勝1敗となった。衆院長崎4区では自民党の金子容三候補が競り勝ったが、参院徳島・高知選挙区では自民党新人が元立憲民主党衆院議員で無所属の広田一候補に大差をつけられた。

 今回の苦戦は東京・立川の地方選で兆候が表れていた。

 投票が締め切られた直後の午後8時に当確が出たのが徳島・高知選挙区補選に出馬していた広田氏だ。事前の選挙情勢から有利とみられていたところ、ゼロ打ち(開票率0%に近い段階で当確)となった。

 一方、競っていると目されていた長崎4区では午後10時ごろに金子氏が当確。同区は北村誠吾元地方創生担当相の死去を受けての弔い選挙で、本来なら圧勝しても不思議ではなかったが、自民党が一枚岩になれなかったこともあってもつれた。

 自民党の苦戦は今回の補選だけではない。15日に行われた立川市の東京都議会議員補選もそうだった。当選者2人のところでトップ当選したのが都民ファーストの会の伊藤大輔候補、2位に滑り込んだのが立憲民主党の鈴木烈候補だった。元立川市議で自民党から出馬した木原宏候補は91票差で落選となった。

 東京都では自民党と公明党の間に亀裂が走ったことがあった。その影響もあり、立川では公明党が自主投票になっていたが、それを踏まえても自民党候補が2着に入れなかったことは驚きを持って受け止められている。

 地元関係者は「都民ファの伊藤氏は9月の市長選からの連戦というメリットもありましたが、それ以上に陣営も後援会もよく組織されており、やるべきことを着実にやっていた。さらに、小池百合子都知事も3回ほど立川に応援に入っています。市長選から約6000票増やしていたのも納得でした」と指摘した。それだけではなく「自民党の支持が減っているというのも間違いなくありましたね」(同)。

 昨今、岸田内閣の支持率は低調だ。共同通信社が14、15両日に実施した世論調査では支持が32・3%で過去最低を更新。不支持は52・5%と過去最高となった。ネットで岸田文雄首相は“増税メガネ”とやゆされ、増税のイメージが拡散。それが選挙にマイナスの影響を与えているとの見方もある。遠藤利明前総務会長が増税メガネ批判に「(首相周辺が)過剰反応している」とこぼしたほどだ。

 批判を気にしてか、岸田氏は期限付きの所得税減税の検討を打ち出しているものの、支持率が上向くかは不明。むしろ減税方針を示しても、参院補選は完敗で衆院補選は辛勝なだけに、今後の政権運営は荒波だ。