父が明かす娘の成長ぶりとは――。陸上のミドルディスタンス・サーキット(MDC=20日、東京・駒沢陸上競技場)、女子800メートルが行われ、田中希実(24=ニューバランス)が2分4秒87で優勝。「レースに集中して、ストレスなく走りきることができた」と振り返った。

 2021年東京五輪1500メートルで日本勢初となる8位入賞を果たすも、その後は苦戦を強いられた。それでも、今季は世界選手権5000メートルで8位入賞。ダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会同種目では14分29秒18の日本新記録をマークして3位に入るなど、大舞台できっちり結果を残してきた。

 田中の父でコーチを務める健智氏は「以前は一人で戦っている感じが強かったが、一人では戦えないことに気がついた」と飛躍の要因を指摘。その上で「もちろん自分の結果を出すためにやっているが、そこに対して関わる人たちがどんな思いで選手に寄り添っているのかという深い部分をこの2年間で理解できるようになった」とメンタル面の変化に目を細めた。

 苦しい時期を過ごした中で、周囲の温かさを実感。田中は「失わない安心感はある」と感謝の言葉を口にしつつも「支えてもらうだけではなく、自分自身も支え合いに参加できるようにしたい」ときっぱり。助け合いの精神で、さらなる高みを目指す構えだ。