日本維新の会の鈴木宗男参院議員がロシアのモスクワに渡航し、2日に外務次官らと会談した。ウクライナ侵攻後、日本の国会議員がロシア入りしたのは初。なぜ処分対象になるのを承知で渡航したのか。
宗男氏は1日に日本をたち、モスクワ入り。2日にルデンコ外務次官、前駐日大使のガルージン外務次官と会談した。ウクライナ侵攻の正当性を主張するロシア側に対し停戦を呼び掛けたほか、北方領土の墓参や漁業の安全操業を働きかけたという。滞在中、複数の高官と会談し、5日に帰国する予定だ。
宗男氏は長年、北方領土の返還交渉でロシア側と独自のパイプを築いてきた。渡航中止勧告が出ている中での電撃訪ロに、松野博一官房長官は「どのような目的であれロシアへの渡航はやめてもらうよう国民に求めている」。維新の藤田文武幹事長は事前に渡航届がなかったため、役員会通達違反として処分を検討するという。
宗男氏は今年4月にも訪ロを検討したが、党内から反対され、中止に追い込まれていた。党に届け出れば渡航が表面化し、再び潰されることを懸念し、今回は強行突破を図った形だ。
出発2日前の先月29日に都内で開いた政治資金パーティーで、宗男氏は「我々が生活する時は遠くの親戚より近くの他人と折り合いをつけないといけない。国は引っ越しできない。外交は積み重ね。正しい歴史認識のうえに正しい判断をしていきたい」と悲壮な表情を見せていたが、危険も伴うロシア入りを控えていたからだった。
元外務省主任分析官の佐藤優氏も同パーティーで「鈴木さんは年内に訪ロすべき」と力説。「戦争が始まってからもう1年7か月がたつ。日本の国会議員はロシアの国会議員と一度も会っていない。鈴木さんが旧知の人たちと会う段取りを進めて、返事を見るだけでもロシアの姿勢が分かる。誤解から日ロ間の戦争になることは絶対に避けなくてはいけない」
日ロ戦争に発展する事態まで危惧し、宗男氏がロシア入りすることの意義を説いていた。










