大ブームの再来はなるか。2024年パリ五輪予選を兼ねたバレーボール男子W杯3日目(3日、東京・国立代々木競技場第一体育館)、世界ランキング5位の日本は同20位のチュニジアに3―0で勝利。通算成績を2勝1敗とした。今大会は石川祐希(27=ミラノ)、西田有志(23=パナソニック)、高橋藍(22=日体大)の〝イケメントリオ〟を目当てに、連日1万人以上が来場。アイドル並みの人気を集めているが、過去のピーク時の盛り上がりにはまだまだ及ばないという。

 頼れる攻撃陣が負の連鎖を断ち切った。1日のエジプト戦は2―0で迎えた〝魔の第3セット〟で流れが一変。格下相手に手痛い逆転負けを喫した。しかし、この日は石川、高橋がチームトップの13得点をマーク。西田も4本のサービスエースを決めるなど、最後まで付け入るスキを与えなかった。西田は「今日やっとみんなが普通にプレーできて、安心したバレーボールを見せられた。自分たちはやっと普通に戻れたかな」とホッとした表情を浮かべた。

 龍神NIPPONは6~7月のネーションズリーグ(VNL)で銅メダルを獲得。世界の舞台で好成績を残したこともあり、今大会は初日からグッズ売り場に100メートル以上の行列ができるなど、人気は右肩上がり。今大会の開幕に合わせて複数の雑誌が特別号を組んだほどだ。

 主婦と生活社が9月28日に発売した「VOLLEYBALL HEROES 2023」特別号の編集に携わったベテラン担当者は「石川選手の海外での活躍は他選手にも影響を与え、日本の実力アップに一役買ったことは間違いない。地上波(フジテレビ系)で生放送されるので、人気のある3選手(石川、西田、高橋)はもちろん、その他の選手から新たなスターが生まれてくれたら」と発行に至った一連の経緯を語った。

 注目を浴びる機会が格段に増える一方で、さらにブームが広がっていく可能性も秘めている。同担当者は「川合俊一さん(現日本協会会長)の時の人気は本当にすごかった。今と時代は違うけど、当時は本を刷った分だけ売れていた」と指摘。より認知度を高めるには、今後も大舞台で結果を残す必要がある。だからこそ「今大会でパリ五輪の出場権を獲得して、五輪でメダルが取れたら、今まで私たちが見てきた景色とは違う景色が見られるのでは」と期待を寄せた。

 女子は2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得したが、男子は金メダルを手にした1972年ミュンヘン五輪以来、半世紀以上にわたって表彰台から遠ざかっている。野球、サッカーに負けないメジャースポーツ化へ、今大会で龍神NIPPONの真価が問われることになりそうだ。