メジャーの歴史、いや銀河の歴史に新たな1ページだ――。ア・リーグのレギュラーシーズンが1日(日本時間2日)に終了し、エンゼルスの大谷翔平投手(29)が44本塁打で日本選手初の本塁打王に輝いた。右ヒジの手術を受けて最後の25試合を欠場したが、投打を通じてMLB6年目で初タイトルを手にした。日本選手が打撃部門の主要タイトルを獲得するのは、2004年に2度目の首位打者に輝いたイチロー(マリナーズ)以来の快挙。3月のWBCから主役を譲らなかった大谷がパワーでメジャートップに立った。

 今季のレギュラーシーズン最終戦となるアスレチックス戦の勝利をエンゼル・スタジアムのベンチで見届けた。試合後はグラウンドに姿を見せて笑顔でナインと左手でグータッチ。ファンの視線が集中した。

 メジャー6年目で打撃タイトルを初戴冠、日本選手には一番縁遠いと思われた本塁打王だ。それも9月4日(同5日)から25試合を欠場しながら逃げ切るという異例の形で決着した。2位の39本塁打のガルシア(レンジャーズ)は最終戦のマリナーズにフル出場したが不発。37本塁打で4位のジャッジ(ヤンキース)はロイヤルズ戦を欠場した。

 2023年は大谷の1年として歴史に刻まれる。3月のWBCでは投打二刀流で侍ジャパンの世界一奪回に貢献し、MVPに輝いた。決勝の米国戦では9回に登板して二死でトラウトから空振り三振を奪った場面はWBC史上最高の対決として永遠に語り継がれるだろう。

 3月30日の敵地でのアスレチックス戦は史上初の2年連続で投打二刀流で出場。白星を挙げることはできなかったが、6回を2安打無失点、10三振の快投だった。

 4月18日に敵地ヤンキー・スタジアムで初回に放った4号2ランは歴史的な一発。旧ヤンキー・スタジアム開場100周年の記念日で、くしくも100年前にベーブ・ルースが本塁打を放っていた。

 6月は球団と日本選手最多の月間15本塁打と大爆発。9発放った7月と2か月連続で月間MVPを受賞。30日の本拠地ダイヤモンドバックス戦で放った30号は飛距離493フィート(約150・3メートル)で今季メジャー最長だ。前半戦をメジャートップの32本塁打で折り返した。

 7月27日の敵地でのタイガースとのダブルヘッダーで第1試合は完封勝利をマークし、第2試合では2打席連発して〝伝説の一日〟として球史に刻まれた。ただ、3月からフル回転した反動か、投打二刀流で出場した8月23日の本拠地レッズ戦で右ヒジの靭帯損傷が判明。初回に放った44号先制2ランが結果的に今季最後の一発となった。

 その後も打者として出場を続けるも、9月4日(同5日)の本拠地でのオリオールズ戦前の打撃練習で右脇腹を痛めて、ギブアップ。同19日(20日)に2度目の右ヒジ手術を受けた。24年は打者に専念し、投手復帰は25年の予定だ。最後まで出場していれば、何本積み重ねたか。自己新の47号、さらに50号、60号は来季へのお楽しみだ。

 メジャー移籍時は投手として注目されていたが、21年から長距離砲として存在感を発揮、6年目に頂点に立った。今季、打者では打率3割4厘、95打点で、投手では23試合で10勝5敗、防御率3・14。まさに歴史的な1年だったが、締めくくるのはまだ早い。自身2度目、史上初の2度目の満票MVPで有終の美を飾る。