【森脇浩司 出逢いに感謝(6)】2位に大躍進した2014年のオフ、フロントは大きな補強をしてくれた。大リーグでプレーしていた中島裕之、DeNAを退団したトニ・ブランコ、日本ハムからFAの小谷野栄一、広島で実績を残したブライアン・バリントン。FAのエースの金子千尋も宣言残留し、悲願に向けて戦力が整った。しかし…彼らが序盤から次々とケガで戦列を離れ、厳しい状況に陥ってしまいました。
開幕から4連敗、4連敗、6連敗…5月を終えて借金15。監督はリーダーとして存在し、旗を振るポーズを作るんですが、うまくいくこともあればいかないこともある。うまくいかなくてもポーズを取るというのは、思った以上に難しいこともある。こういう状況にはなっても僕はある程度のところまで持っていけると思っていた。時間はかかってもやっていかないといけない。
ローマは一日にしてならず、というくらいであのホークスだって最初はいろんなことがありながら常勝チームの道を歩んだ。客観論ですが、20年近く低迷した球団がすぐに様変わりするわけではない。プロジェクトの成功の前には大きな揺さぶりがあるというのは世の常。そこをリーダーを含めてどう乗り切るのか。それを神様に試されていると僕はいつも思うんですね。だからリーダーは前を向いてファイティングポーズを取る。ポーズであっても必要なことだし、そういう道しるべがないと道に迷ったり、弱気になったりする。
そういうことを肝に銘じていたし、ホークスに長くいて学んだことでもありました。今、自分がポーズを取らずにいつ取るんだと。今の時代はSNSを含めて過剰に反応する風潮もあるし、そういった中でどう乗り切って強固なものにするか…。1年前にホークスと一騎打ちをし、さらに地盤を固めるプロセスの真っただ中にいるんだ、という考えでした。
それでも最終的にコントロールできないことがある。交流戦の巨人戦に向け、6月1日に東京に入った。夜に宿舎にいると、フロントからメールが入りました。「翌日の11時に何号室に来てもらえますか」という内容だったと思います。翌朝に行くと、瀬戸山隆三球団本部長と村山良雄常務がいました。もしかしたら…という空気は感じていましたよ。客観論ですけど、去年に優勝争いしているし、このタイミングで…ということもシビアに思っていましたよ。ここがチームの先につながる大事な時でしたから。
話し合いではなく、僕が何か言って変わるものではない。コントロールできることなら最善を尽くすけど、人が陰で何かするということはどうしようもできない。そちらでこうすると決めたことを僕が変えられない。何か伝えられたら従わざるを得ないとは思っていました。
「ここで休養していただこうと思います」。瀬戸山本部長が疲れた声でこう言いました。










