昨シーズン、史上5校目となる大学駅伝3冠を達成した駒大の藤田敦史監督(46)が、1日に都内で取材に対応し、史上初となる2年連続3冠への意気込みを語った。
28年間、監督を務めた大八木弘明現総監督(65)から、4月にバトンを引き継いだ。新監督してのここまでを振り返り「経験も実績もない自分が、大八木監督と同じことを言っていても、子どもたちへの響き方は全然違う。何かを具体的に提示するのではなく、コミュニケーションを密にとって、選手と自分の考えを擦り合わせた上で方向性を導き出すというやり方をしている」と対話の重要性を強調した。
今年はここまで佐藤圭汰(2年)が織田記念(4月29日・広島)で優勝すると、赤星雄斗(4年)と山川拓馬(2年)が関東学生対校選手権(5月14日・相模原)ではワンツーフィニッシュを決めるなど、トラックシーズンでも無類の強さを発揮している。「現役のころから心がけていることではあるけれど、速い選手より強い選手というところ。勝負に勝てる選手の育成というものを念頭に置いているので、そういう意味では、思い描いていた実績を出してくれた」と手応えを感じている。
そして出雲駅伝(10月9日、島根)を皮切りに、いよいよ駅伝シーズンが開幕する。「2年連続で3冠をしたチームは過去にないので、やっぱり難しいということは想像できる。少しでも子どもたちにプレッシャーがかからないように、いろいろなことを考えながらやっていきたい」。3冠チームを引き継いだ新監督は、巨大なプレッシャーに打ち勝てるか。