〝丸刈り論争〟に柔道界の重鎮が一石を投じた。夏の甲子園で全国制覇を果たした慶応(神奈川)をキッカケに最近注目を集めているのが、部活動における頭髪のあり方。自由な髪形を支持する声が高まりを見せている。その一方で、昔ながらの丸刈り姿が多いのが柔道界。そこで男子日本代表の鈴木桂治監督(43)を直撃。現在の丸刈り論争に対する〝アンサー〟とは――。
自由な髪形を推奨する慶応が甲子園で旋風を巻き起こし、その他にも土浦日大(茨城)、花巻東(岩手)など〝非丸刈り〟の強豪が躍進したことで野球の枠を超えて国民的な関心事となった。
近年の部活動では野球部だけでなく、自主性を重んじる風潮が年々広まっており、丸刈り姿の生徒は減少傾向にある。
そうした中で、これまで野球と同じく丸刈りのイメージが強かったのが柔道界。2004年アテネ五輪での金メダル獲得など現役時代に丸刈り姿で活躍した鈴木監督は「僕は坊主(丸刈り)が好きだったので、坊主にしていたということもある」と自らの意思で丸刈りを選択していたと振り返る。
そこで例として挙げたのが、6月25日に行われた体重無差別の団体戦で争う全日本学生優勝大会。母校の国士舘大は全選手が丸刈り姿で大会に臨んで優勝を果たした。
これは男子柔道部を率いる吉永慎也監督からの提案ではなく、選手たちが自発的に丸刈りを選んだという。「気合を入れるという考えが、坊主にするという選手もいれば、そうではない考えを持っている選手もいるというだけの話」と指摘。選手一人ひとりの考えを大切にした上で、丸刈りで団結感を生む選択肢も否定はしないでほしいというわけだ。
また、柔道では髪が長いと組み手や寝技などにおいて不利になってしまう場合もあり、メリットともなり得る。「いろんな議論があっていいけれども、わざわざ議論するようなことでもないかな。(スポーツを頑張る人は)髪形に関係なく、みんなかっこいい」とキッパリ。髪形を巡る論争が過剰になりすぎないようにしっかりとクギを刺した。
23日に男子100キロ超級でパリ五輪代表に内定した、五輪2大会連続金メダルの故斉藤仁さんを父に持つ斉藤立(21=国士舘大)も、以前は丸刈りで汗を流して技術を磨いてきた。
そんな愛弟子について「粗削りな部分もまだまだ多く、修正していかないといけない点はたくさんある。それでも、私の代表監督としての大きな目標でもある最重量級での金メダル獲得に向けて育てていきたい」と力を込めた。
柔道界の最前線にいる指揮官からの金言は、ヒートアップする論争にどんな影響を及ぼすか。












