鈴木誠也外野手(28)が所属するカブスが大方の予想に反して「買い手」に回った。球団は7月31日(日本時間8月1日)に今季53打点、16本塁打をマークするなど強打を誇るナショナルズの三塁手、ジェイマー・キャンデラリオ(29)を獲得したと発表。傘下マイナー所属のケビン・メイドとDJ・ハーズの若手有望株2人をナショナルズへ放出し、8月1日(同2日)のデッドラインを目前に1対2のトレードが成立した。

 また、他にもカブスは同日にネルソン・ベラスケス外野手(24)を交換要員とし、ロイヤルズから今季3勝中のホセ・クアス投手(29)をトレードで獲得。1日で2件のトレードをまとめ上げて強力メンバー2人を加え、一転してポストシーズン進出を目指す姿勢を明確にした。

 7月上旬までは借金生活にさいなまれてポストシーズン圏外の苦しい立ち位置だったチームは球宴後の14日(同15日)以降、8連勝を含む11勝5敗と急激に絶好調モードへと転じている。31日の本拠地レッズ戦こそ5―6で敗れて2連敗となったとはいえ、勝率5割でワイルドカード3位圏内には3・5ゲーム差、ナ・リーグ中地区3位で首位のレッズを5ゲーム差で追っており、逆転ポストシーズン進出の可能性はまだまだ十分だ。

 カブスの地元有力紙「デイリー・ヘラルド」も「カブスは月曜日、正真正銘の買い手になった」と報道。そして「この2つのトレードは今冬のフリーエージェントになるエンゼルスの二刀流スーパースター、ショウヘイ・オオタニ獲得の呼び水になる」との見解も示した。

〝買い手〟に回ったカブスが今回の戦力補強を成功させ、今年のポストシーズン進出を決めて「強いチーム」であることを印象付けられれば「オオタニにとっても魅力的なチームに映るかもしれない」と同紙は分析する。

「オオタニがカブスにエリート・パワーをもたらし、指名打者の空席を埋め、エース投手としてのユニークな才能も備えた完璧な選手であることは間違いない」。今オフFAとなる大谷の獲得に乗り出せば、カブスに絶大な効果を生み出すとも指摘した。

 加えて1年契約のコディ・べリンジャー外野手(28)の来季残留も決まれば「オオタニとともに印象的なラインアップを形成することが可能になる」と戦力分析。ただ、確実視されるマネーゲームについては「ドジャースやヤンキースとの入札合戦になれば、普通の考えならカブスはおそらく負けるだろう」と悲観的だ。

 それでも「ただ、カブスはパンデミック以降、比較的質素な生活を送っており、巨額の契約は残っていない」と大谷獲得費用の捻出にはかなり余裕があるとした上で「日本の友人であるセイヤ・スズキとリグリービルで一緒にプレーできることには、何らかのメリットがあるはずだ」とも続け、さまざまなプラス材料をアピールしている。

 今季中のトレードが消滅したことに伴い、地元メディアも巻き込んで、数多くの球団がFA大谷の獲得に舵を切っているようだ。