若い頃はつきあった女性の数を自慢していた男性が、歳を重ねると持病や、飲んでいる薬の数を自慢するようになる。最近では脂肪肝や痛風など、酒がらみの疾患の自慢をやたら耳にするようになった。ベルトの上に乗っかった立派なお腹を見て納得。脂肪肝、そりゃ心配になるよね、と(よけいなお世話)。

 さて、脂肪肝はその名からわかるよう、肝臓に脂肪が蓄積した状態を指す。言わば「フォアグラ状態の肝臓」だ。脂肪肝の主因はカロリー過多や運動不足と言われているが、実は酒そのものが大きな原因の1つ。体内に酒が入ると、通常は肝臓でアルコールが優先的に分解される。しかし、アルコールが分解されている間は、脂肪の燃焼が阻害されてしまうという。それにより代謝されない脂肪は肝臓に蓄積し、結果として脂肪肝になってしまうのだ。加えて糖質や脂質が多いおつまみを食べたり、しめのラーメンで締めたりすると、脂肪肝はさらに加速してしまう。

 酒を飲む時くらい好きなものを好きなだけ食べたいと思うが、脂肪肝の経過を聞くとそうも言っていられない。脂肪肝は放置すると肝硬変、果ては肝臓がんになるリスクがあるからだ。しかも自覚症状が出た時には既に遅し…、ということも多々ある。甘く見てはいけないのだ。

肥満も褒められたものではないが、痩せていても飲み過ぎている人は危ない(写真はイメージ)
肥満も褒められたものではないが、痩せていても飲み過ぎている人は危ない(写真はイメージ)

 ではどうしたらいいのか?「脂肪肝が改善する」という確実なエビデンスがあるのは、食事療法と運動療法の2つのみ。酒を飲まない日はなるべく節制に努め、飲む日は好きなものを食べる。健康を維持しながら長く酒を飲むには、この方法がベストだと思う。かくいう私も休肝日の食事といったらそれはもう地味。主食はオートミールや雑穀米、副菜は魚や野菜が中心で、夫からは「鳥のエサみたい」とよく言われる。いいのだ、それでも。脂肪肝を予防しつつ、酒と料理を思い切り楽しむための施策なのだから。