飛行機で酒を飲むと、いつも以上に酔っぱらう。私事だが海外、それも結婚式を挙げるために乗った飛行機で、シャンパーニュをたった2杯飲んだだけで、フラッフラッになったことがある。そのおかげで現地到着後の衣装合わせは泥酔に近い状態。フィッティングルーム内は、さぞ酒臭かったに違いない。ああ、あの時の自分を地底に埋めてしまいたい。
「飛行機泥酔説」は何も私に限ったことではない。実はきちんとした理由がある。それは「機内の低酸素」だ。機内の気圧は0・8気圧前後。これは富士山の5合目(2000~2500メートル付近)あたりの気圧に匹敵する。気圧の低下に伴い、酸素量も減少。地上に比べ、機内の酸素量は2割程度減ってしまう。これにより脳のパフォーマンスが落ち、判断力が鈍くなるなど、酔った時と同じような症状が現れることがあるという。
その状況で酒を飲むと、いつもよりアルコールの影響が強く出てしまい、酔いが回りやすいと「感じる」のだそう。そう、あくまでも「感じる」だけ。低酸素だからアルコールの分解が遅れたり、アルコールの吸収が促進されたりするのではない。しかし、だからと言って安心はできない。何故ならアルコールは低酸素状態を助長するからだ。さらに酒を飲んで寝てしまうと、低酸素状態は悪化。心臓疾患や糖尿病など、血管に疾患を抱えている人にとっては命取りになりかねないのだ。
さらに怖いのは機内の乾燥である。機内の湿度は20%程度と極めて低く、そんな中、利尿作用のあるアルコールを飲むと、さらにカラダは乾き、血液はドロドロ状態に。そうなると気を付けなければならないのが血栓。それでなくても機内は座りっぱなしで血栓ができやすい環境にある。とどのつまり、「機内での飲酒はいつも以上に酒量を考えないと危険」なのだ。コロナが5類引き下げとなり、海外旅行が行きやすくなった今、「飛行機に乗ったら、酒を飲んでとっとと寝る」という考えを悔い改めねばならぬようだ。












