エンゼルスの大谷翔平投手(28)に対する称賛が28日(日本時間29日)になっても収まらない。本拠地アナハイムで27日(同28日)に行われたホワイトソックス戦に「2番・投手兼DH」で先発出場し、6回1/3を4安打1失点、10三振2四球の好投で7勝目(3敗)をマーク。登板日では初の1試合2本塁打を放ち、3打数3安打2打点の活躍でチームの4―2の勝利に貢献した。打者で2本塁打、投手で10奪三振以上はア・リーグでは1963年のペドロ・ラモス(インディアンス=現ガーディアンズ)以来、60年ぶりの快挙だ。

 野球を超えたところにあると伝えたのは米老舗スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」(電子版)だ。大谷の野球には限界がないと指摘。「誰も見たことのない偉業を達成していると伝えることさえもありきたりになってしまった。彼の力は数字では表現しきれない。もっと抽象的なもの。『期待を覆す』という能力だ。想像することを許されるなど思いもしなかったことをする」

 7回一死一、二塁でトレーナーがマウンドに出てきて大谷が割れた右手中指の爪を見せて降板した時を例に挙げるとこう続けた。「あれは誰もが悪いことを想像した。最低でなくとも、よくはないと。(大谷が約10分後に本塁打を放ち)何もかもが無関係に感じられた。大谷はすでにすべての不安を消し去っていた。彼は典型的な恐怖をすべて上書きしたのだ」

 誰もが展開に驚くことしかできなかったことを伝え、それは成績だけでは分からない魅力であると締めくくった。

 地元オレンジカウンティー・レジスター紙は、大谷についてこれ以上何を書いていいか分からないと、ファンからのMVPコールを“拝借”した。「大谷翔平が彼に対する説明描写に反抗し続ける中、エンゼルスファンが彼が2度目にベース間を走っている最中にシンプルな形で表してくれた。MVP!MVP!とエンゼル・スタジアムは3万3637人の大谷に対する感謝で包まれた」

 米スポーツサイトのアスレチックは「大谷が試合前から爪が割れた状態で10奪三振を記録し、ホワイトソックス打線を支配したなんて不可解なのに、その上、2本塁打。大谷は2021年には打撃のエリート、2022年は投手のエリートだった時期があったが、この1か月は、彼がメジャーでまだ誰も見たことのない投打同時のエリートを見られる可能性を示した」と大絶賛だ。

 ロサンゼルス・タイムズ紙のスポーツ面トップを大谷の写真が飾り、「エンゼルスの二刀流ウォーリアー(戦士)」との見出しで紹介した。

 CBSスポーツ(電子版)は「(爪が割れて降板した時)大谷がエンゼルスのみならず、メジャーリーグ全体で背負う重要性を考えた時、それは間違いなく憂慮する瞬間だった。しかし彼は大丈夫どころか、この世で最もばかげた野球選手だった」と最大級の賛辞を贈った。

 投球とバットで驚かせ、感動させてくれる大谷。日米の野球ファンは連日、新たな歴史の誕生を目の当たりにしている。