テニスの4大大会・全仏オープンの混合ダブルス決勝(8日)で男子のティム・プッツ(ドイツ)とのペアで初優勝を果たした加藤未唯(28=ザイマックス)の〝失格騒動〟を巡り、根本的な体制の見直しムードが高まっている。

 女子ダブルス3回戦で加藤が、試合途中に相手コートへ向けて返球したところ、ボールガールに直撃。審判は一度は警告を与えたが、対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)組が主審に執拗な抗議をすると、裁定は失格に変更され、賞金やポイントを得ることができなかった。

 異例とも言える処分内容に、国内外でボールガール、ボールボーイのあり方を考え直すべきとの意見も飛び出している。オーストラリアメディア「ニュース・コム」は「ボールキッズへの敬意と安全の両方は不可欠ではある。だが、今回の場面を見て考えさせられた。ボールキッズの意味はいったい何なのか」などと報道した。

 さらに、日本でも数々のスポーツに関するルールの監修に携わった専門家は取材に対し「泣いてしまって事情を説明できなかったボールガールが悪いとは思わないが、事情を説明できないために選手が泣かざるを得ない状況になるくらいだったら、ボールボーイ以外でもっと危険のない形で子供たちに参加してもらう仕方もあるのでは」と疑問を投げかけた。

 ボールガール、ボールボーイは、テニス界の長い歴史の中で生まれた重要な役割の一つ。しかし、同専門家は「いろんな過去もあるし、みなさんもいろんな思いがある」としながらも「例えば、他のスポーツだったら、選手と子供が手をつないで入場するシーンがあったり、危険じゃない形で子供が関与している。もしボールがそんなに危険だと言うのなら、なぜ子供がボールガール、ボールボーイを務めているのかという疑問が生じる」と指摘した。

 現時点で騒ぎは収まるどころか、日に日に大きくなるばかり。加藤の失格騒動が、テニス界の歴史を動かすことになるのだろうか。