心配無用だ。日本相撲協会は5月31日、関脇霧馬山(27=陸奥)の大関昇進を決定。師匠の陸奥親方(64=元大関霧島)は、自身の現役時代のしこ名「霧島」への改名を発表した。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は、霧馬山改め霧島の強さを徹底分析。近年は〝短命大関〟が相次いでいる中、新大関の力量に太鼓判を押した。

 新大関は伝達式で「大関の名を汚さぬよう、今まで以上に稽古して頑張ります」と口上を述べた。その後の会見では「うれしいです。(入門から)8年で何回も辞めて(母国モンゴルへ)帰りたい気持ちになった。乗り越えてよかった」と感慨もひとしお。師匠のしこ名を継承し「夢みたい。もう一つ上の番付(横綱)を目指していくしかない。強くてかっこいい大関になりたい」と決意を新たにした。

 得意の左四つを軸としながら、多彩な取り口を見せる万能型。秀ノ山親方は大関を手繰り寄せた要因として馬力の強化に着目する。「もともと足腰が強く、前さばきがうまい力士。立ち合いの圧力が増したことで押されなくなり、上半身が浮かなくなった。前に出る力が付いたことによって、さらに相撲の幅が広がっている。この1年を通して、本当に力が付いたなと思う」と指摘した。

 一方で気になるのが、近年誕生した大関が相次いで〝短命〟に終わっていることだ。昨年は御嶽海(出羽海)が在位4場所で陥落。正代(時津風)は13場所で地位を失った。この点についても、同親方は「(上位で)8場所連続の勝ち越しは地力がある証拠。取りこぼしが少なくて安定感がある。すぐに落ちてしまうようなことはないのでは」と太鼓判を押した。

 それでは、本人が目標に掲げている横綱昇進が実現する可能性はあるのか。秀ノ山親方は「もう少し体を大きくした方がいいかもしれない。今以上に押されにくくなるし、相撲に重みが出てくる」と提言した上で「大関の地位で満足せず、このまま自分の良さを磨いていけば、十分に狙えると思う」と期待を寄せた。

 三役陣の出世レースで頭一つ抜け出す一方、来場所は大栄翔(追手風)、若元春(荒汐)、豊昇龍(立浪)の3関脇が大関取りに挑む。さらなる競争の激化が予想される中、〝2代目霧島〟は番付の頂点に駆け上がれるか。