大将の全快はいつか。巨人は交流戦開幕戦となった30日のロッテ戦(ZOZO)に1―2で惜敗し、今季2度目の4連敗を喫した。チームは勝率5割付近を右往左往しているが、一進一退なのは故障から〝スピード復帰〟した中田翔内野手(34)も同じだ。驚異的な回復を見せたものの現実は厳しく、早期昇格を決断した原辰徳監督(64)もジレンマを抱えている。

 どうにも打線に元気がない。4回までに2点を先制されると、7回に梶谷の適時打で1点を返すのがやっと。これで4戦連続で2得点以下となり、原監督は「もうちょっと活発にいかないとね」と嘆き節だった。

 起爆剤として期待された中田翔も歯がゆい状態だ。右太もも裏を肉離れした当初は全治6~7週間と診断されたものの、思いのほか軽症。実戦を経てわずか3週間で一軍に復帰した。ただ、完治には程遠かった。復帰戦となった25日のDeNA戦(東京ドーム)では三塁線を破る左前打を放ったが、全力疾走はできず。首脳陣もフル出場はさせておらず、先発出場した2試合はいずれも途中交代させている。

 昇格を最終決断した原監督にも、何とも言えないもどかしさが募る。「思ったより(回復して)きていなかったというのが現状。(練習参加時に)大丈夫だということだったけど、万一またやっちゃうといけない」。最悪のケースは強行出場してケガを再発させて長期離脱することだ。それでも「本人はやる気いっぱいだから」と背番号10の意向もくんだという。

 フル出場も全力プレーも厳しいとなれば、どんな起用法が適切なのか。球団関係者は「状態が良くなるまでは代打しかないだろう」と言い切り「出塁しても、全力で走れない以上は走者としては使いづらい。中田翔が〝各駅停車〟になるし、後ろを打つ打者がかえすのも大変。ケガをされても困るし、代打で出塁したら代走を送るのが無難では」と悩ましげだ。

 実際、すでにチーム編成にも影響を及ぼしている。28日には若手捕手の山瀬を二軍降格させるなど、6人の入れ替えを断行した。原巨人の〝鉄則〟でもある「捕手3人制」を崩した狙いは「今の中田が出塁したら代走が必要になる。終盤にはブリンソンやウォーカーへの外野の守備固めも必要になるし、走れる野手を1人でも多く増やすという首脳陣の判断です」(チームスタッフ)と明かした。

 この日の中田翔は試合前は体のケアに努め、9回二死から代打で出場して空振り三振に倒れて試合終了となった。手負いの大砲を起用するためには代走を含め、限られたベンチメンバー2人を使う覚悟が必要。早期のV字回復を祈るしかないのかもしれない。