東京都内のホテルで知人女性に性的暴行をしたとして、警視庁麻布署は23日に強制性交容疑で西武・山川穂高内野手(31)を書類送検した。昨季の打撃2冠王でWBC世界一メンバーでもあるトップ選手の深刻事態とあって、球界には大きな衝撃が広がっている。その一方、親会社の西武ホールディングス(HD)内部には、今後の契約について厳しい声が出ていることも分かった。

 山川の書類送検を受けて、西武球団は23日に「書類送検された事実は確認しております。当球団の選手が書類送検されたことは誠に遺憾であります。ファンの皆さまや関係者の皆さまにご心配をおかけしており、誠に申し訳ございません」とコメント。松井稼頭央監督(47)は、降雨中止となったロッテ戦(ZOZOマリン)の練習前に「その話はもちろん聞いていますが、僕の方からお答えすることはできない」と話すにとどめた。

 相手の女性側と示談が成立していれば、ここまでの事態とはならなかったかもしれない。しかし、山川は「(行為は)無理やりではない」と弁解を続けている模様で、誠意ある謝罪を受けていない女性側にしてみれば、送検までに示談のまとめようがなかった。

 実際、女性側は性犯罪弁護に実績のある女性弁護士を立て、徹底抗戦の構えを崩していない。求めているのは高額な示談金などではなく、山川に対する厳正な処分だという。

コメントを控えた西武・松井監督
コメントを控えた西武・松井監督

 これが一般人であれば逮捕されても仕方のない案件だが、山川が有名人であり、任意の事情聴取、LINEやメールなど証拠の提出などにも応じ、逃亡の恐れもないことから警視庁麻布署は書類送検し、起訴の判断を検察に委ねる「相当処分」としたようだ。しかし、球団や来月に株主総会を控える西武HDはもちろん穏やかでいられるハズがない。

 今後、起訴、不起訴にかかわらず、検察の判断が下された段階で「契約解除はやむなし」との声がグループ内にあることが分かった。

 山川が起こした一連の騒動が、西武グループにとってのコンプライアンスを大きく逸脱しており、これまで本人がチームや個人で受けてきた球団内のコンプライアンス研修を踏みにじるものとなっていること。そして、ファンの期待を裏切り、現場に多大な迷惑をかけている事実はもはや否定できない。

 それでも山川本人はまだ〝行為の合意性〟を主張し、自己弁護に終始。謝罪に応じていないことに球団、西武HDは頭を抱えている。

「起こした事の重大さを本当に認識しているのか」。グループ関係者からこう見放されてしまっている西武の主砲は強制性交容疑で起訴されれば、もちろんアウト。不起訴となっても〝無期限出場停止〟などの大甘処分などではなく、ライオンズのユニホームを脱がなくてはならない内部情勢となっている。