安倍家の総決算選挙となるのか――。千葉5区、和歌山1区、山口2、4区の衆院補欠選挙(23日投開票)が11日告示された。昨年、銃撃事件に見舞われた安倍晋三元首相(享年67)の死去に伴う山口4区の選挙戦は、昭恵夫人(60)の“最後のご奉公”になると言われている。
安倍氏の死去後、夫妻に子がいなかったため、今回2区から出たおいに当たる岸信千世氏(31)の擁立論も出るなど後継者問題は紛糾。これまで安倍氏の選挙を実質切り盛りしていた昭恵氏には最後の最後まで待望論があったが、本人は固辞し、元下関市議の吉田真次氏(38)が安倍家の名代としての立候補となった経緯がある。
4区には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の追及で話題になった立憲民主党の有田芳生元参院議員(71)や無所属の竹本秀之氏(67)、無所属の大野頼子氏(49)、政治家女子48党の渡部亜衣氏(37)が立候補した。永田町関係者は「弔い選挙で吉田氏有利の情勢は揺るぎないが、問題はこの後です。いくら吉田氏が圧勝したとしても次の衆院選では林芳正氏に小選挙区の地盤を持っていかれるのは、ひっくり返りようがないんです」と話す。
山口県は小選挙区の数を是正する10増10減の対象で、次期衆院選では定数4から3に減る。新3区は林芳正外相と吉田氏との地盤争いになる見込みで、これまでの実績から林氏が主導権を握るのは確実な情勢となっている。林氏が新3区の支部長となれば、吉田氏は比例区に回ることになる。
「安倍家と林家は父親の代からの因縁を繰り広げてきたが、安倍家は事実上、地盤を譲り渡すことになる。その意味で、安倍氏の名前を出して戦う選挙も今回が最後となる可能性が高い。昭恵夫人は安倍元首相の記念館建設に奔走したいようで、表で選挙を手伝うのも今回限りとなるのもよくわかっているでしょう」(同)
この日の出陣式では、安倍派の萩生田光一政調会長や下村博文元文科相ら幹部が駆け付けた。吉田氏は「志半ばで命を絶たれた安倍晋三先生の無念さをもって、そのご遺志、魂をみんなで継いでいく。子供や孫、その次の世代に美しい国、日本を残していく」とあいさつすれば、昭恵氏も「たすきを手渡されて涙が止まらなかった」と感涙。「圧倒的勝利で国政に送り出してほしい」と訴えた。
安倍氏の無念を晴らすべく、昭恵氏は“ラストステージ”で全力を尽くすことになりそうだ。












