【球界こぼれ話】日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道が今月中旬、ついに開場した。昨年11月に同地を訪れた際には建物こそほぼ完成も、周辺には工事車両や建材などが点在。個人的には3月開場にやや不安を抱かせる状況だった。ところが13日の西武とのオープン戦で内部に入ってみると、そんな心配は杞憂に終わった。

 開閉式屋根と天然芝を兼ね備え、日本の既存球場の概念を覆す独特の雰囲気を醸し出していた。中堅後方にそびえる高さ70メートルのガラス壁に加え、その手前にあるクラフトビール醸造所やレストランなども次世代の「ボールパーク」そのもの。仕事がなければ出来たてのビール片手に居座り続けたくなる快適空間を作り出していた。左翼後方の建物内にはサウナを含めた温浴施設も充実。スタンドとグラウンドの距離も想像以上に近く、臨場感も半端ない。音響効果も抜群だ。これまで米メジャー、マイナーを含め数多くの球場を訪れてきたが、設備と観戦環境は間違いなく世界屈指と言っていい。

 ただ、球場自体が秀逸であるが故に、どうしても気になるのが最寄り駅からのアクセスだ。以前当コラムでも書いたが、最寄りの北広島駅から徒歩20分を要する。試合開催日は北広島駅からシャトルバスが頻繁に往復するが、支払い(片道200円)は現金かカード払いの「VISAタッチ」のみ。Suica等の交通系ICは一切使用できない。実際、バスに乗車した際には乗客の大半が運転士からこの点を告げられると困惑した表情を浮かべていた。帰路に至っては支払いの手間も重なり「乗車時間およそ5分のバス移動に20分以上かかった」という声も多かった。これなら最寄り駅まで歩く時間とほぼ変わらない。タクシーの絶対数も少なく、シャトルバスの増便と乗車法の改善は必須だろう。

 札幌中心部につながる地下鉄東西線の東端・新さっぽろ駅までのシャトルバスなどもあるが、試合後は長蛇の列で乗車するだけでも一苦労の混雑ぶりだった。これには新庄監督も14日の試合後、「球場から帰る時に見ていたんですけど、バスを待ってる人たち(の行列)。あれはあと2時間ぐらい待たないといけないぐらいの列で…。(球団)社長に言っておきましたが、タクシーとかバスの台数を増やしてもらわないと。今のままなら7、8回で席を立つかな」と神妙な面持ちで語っていた。交通インフラは球団だけの問題ではないが、球場へのアクセスの良しあしは観客動員にも直結する。新庄政権2年目で浮上を狙うチームに勢いを付けるためにもファンの支持は重要だ。その意味でもアクセス問題だけは早期に改善してもらいたい。