ソフトバンクの王貞治球団会長(82)が、WBC日本代表を4日連続で視察した。12日も試合前練習から選手の動きを熱心にチェック。ここまで全日程で球場に足を運んだ王会長は、大谷翔平投手(28=エンゼルス)の大会参加の意義を肌感覚で実感し、野球人気低迷が危惧される中での救世主の登場に感謝した。

 大谷のフリー打撃を見守り、直接言葉を交わして激励し、目を輝かせる姿が印象的だった。もちろん技術や規格外のパワーに感銘を受けての反応でもあるが、日本球界をけん引してきた王会長ならではの思いが、素直なリアクションに隠されていた。球場を引き揚げる際「大谷が来てくれて、本当によかった」としみじみと語った。

「選手もそうだけど、みんなが大谷からいい刺激を受けているのが分かるよね。これだけ野球が盛り上がっているんだから。何より球場に来たら分かる通り、すごいファンの反応だよね。みんなにいい刺激を与えてくれている。本当に来てくれてよかった」

 王会長はWCBF(世界少年野球推進財団)の理事長を長年務めるなど、野球の世界的普及と発展を願ってきた。ソフトバンクでも常に現場に足を運ぶのはチームのみならず、球場全体の雰囲気を感じ取り、それを球界発展につなげるためだ。

 オーストラリア戦で特大アーチをかけた大谷。期待通りのパフォーマンスに日本列島全体が沸いている。野球人気の再興に胸をときめかせた王会長の足取りは、いつにも増して軽やかだった。