3年後の大会は、この男が実質的な指揮を執ることになるかもしれない。日本代表のエース格・ダルビッシュ有投手(36=パドレス)に早くも次回WBCへの参加が期待されている。

 すでにWBCを主催するWBCIは2026年3月に第6回を開催する予定であることを表明。これを受けて日本側も今大会終了後、新たに次回WBCに向けた体制を整える。その一環として浮上しているのがダルビッシュの「2大会連続招聘」だ。

 本人は今年2月、所属するパドレスと6年総額1億0800万ドル(約145億円)という異例の長期契約を締結。現在36歳ではあるものの、契約通りなら42歳になるシーズンまでメジャーで現役を続けられる。3年後は39歳とピークは過ぎているかもしれないが、まだ現役でプレーしていることが濃厚。そこでNPB(日本野球機構)を含めた侍ジャパン関係者から「ぜひ次の大会も」との待望論が出ているのだ。

 その背景には、今大会で見せたチームをまとめる手腕とナインへの指導力があるからで、メジャー組でただ一人、宮崎で行われた侍ジャパンの強化合宿に初日から参加。キャプテン不在の中、チーム最年長の自覚を持ちながら投手会、野手会に足を運ぶなどチーム全体をまとめる難しい役回りをこなした。

 同時に若手投手陣に対しては自ら積極的に歩み寄り指導力も発揮。合宿中にはエース格の山本(オリックス)を筆頭に、佐々木朗(ロッテ)や宮城(オリックス)らに自身の投球術や経験、変化球の握り方などを惜しみなく伝授した。おかげでチームは2週間足らずの合宿期間で一丸になることに成功。3月上旬に来日した大谷(エンゼルス)、ヌートバー(カージナルス)、吉田(レッドソックス)ら「メジャー組」の面々を最高の形で迎え入れ本大会に臨むことができた。

 栗山監督もこのキャプテンシーには「(他選手に)すごく大きなものになっている」と強化合宿中から目を細めていた。そんな人心掌握術と指導力が今大会で実証されたからこそ、侍関係者はダルビッシュに今から次回大会に向けた何らかのポジションを確約しておきたいのだろう。

 ある侍関係者は先日、今後の日本代表についてこう話していた。

「もちろん現段階で3年後に彼(ダルビッシュ)がどうなっているか、誰が日本代表監督に就任するかはわからない。ただ、少なくとも彼の存在がチームの精神的支柱になることは今大会で証明されたわけですから。次回大会の招聘は間違いない。本人と所属チームがゴーサインを出せばプレイングマネジャー、またはコーチ兼任としてチームをけん引することも考えられる。今の日本代表にもはや彼は欠かせない存在ですからね」

 兼任監督か兼任コーチなのかは未定とはいえ、少なからず3年後の大会でも、その雄姿が見られることは間違いなさそうだ。