【取材の裏側 現場ノート】フィギュアスケート女子の横井ゆは菜(22=邦和みなとSC・中京大)が、2月の愛知県選手権を最後に現役生活に別れを告げた。

 2018年に全日本ジュニア選手権で優勝。数々の国際舞台も経験し、22年四大陸選手権では7位入賞を果たした。高い表現力を武器に氷上で戦ってきたが、今季限りでの引退を決断。スケート靴を脱ぎ、メディアの世界で新たな人生を歩む。

 愛知出身の記者は地元テレビ局の番組で横井の特集を視聴し「個性あふれるアスリートだな」と感じていた。テレビを通して受けた印象は、記者として接するようになっても全く崩れなかった。昨秋、横井のインタビュー取材を行ったときの話。地元トークに花を咲かせた中でこんな質問を投げかけてみた。「どんな人になりたいですか?」。すると、横井は笑顔でこう明かしてくれた。

「楽しませたい、笑わせたいというのがあります。私の母がとても面白くて、そのおかげで毎日大爆笑させてもらっています。笑うって楽しいじゃないですか? 普段から面白いことを言って、笑わせてやろうかと思っているので、楽しませられる人になりたいなと思います。面白いって一番いいと思うんですよね。最強だなと。『面白いおばちゃんになりたい』とよく言っています」

 個性的なプログラムで観客を沸かせてきた横井の根底には〝楽しませる〟という思いがあった。ステージが変わっても自身の目標にブレはない。今月22日に開幕する世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)では、公式リポーターとして競技の魅力を発信する。

「私もスケートのファンなので、選手だからこそわかるすごさとかも伝えたいと思っています。選手を辞めてからもスケートのことを発信していきたいです」

 これからは〝同業者〟としてスケートの魅力を発信し合える日を心待ちにしている。

(五輪担当・中西崇太)