フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、プロに転向した羽生結弦(28)が26日、東京ドームでスケーター史上初となる単独アイスショー「GIFT」を終え、率直な気持ちを打ち明けた。

 異例の東京ドーム公演は、11日の時点でチケットが完売。25日に追加販売されるも、すぐに売り切れた。当日は3万5000人が来場し、拍手と歓声で羽生にエールを送った。さらに日本のみならず、韓国、台湾、香港などでも映画館でのライブビューイングが行われ、約3万人が視聴。国内外で改めて人気の高さを証明した。

 満員の観客の前でリンクに立った羽生は「正直、この会場に入って思ったことは『自分ってなんてちっぽけな人間なんだろう』ということでした」と本音を吐露。その上で「フィギュアスケートって本当に1人の人間、もしくは2人の人間がやるスポーツですし、それを表現として、アートとしてつくり上げていくことももちろん大事ですけど、まずは僕は男子シングルなんで、男子シングルのスポーツ選手としてやる時に、本当にちっぽけな人間だなって」と神妙に語った。

 孤独と戦ってきたからこその重い言葉。ただ、羽生には頼もしい味方がたくさんいる。「その3万5000人の方々、この空間全体を使った演出をしてくださったみなさんの力を借りたからこそ、ちっぽけな人間であったとしても『いろんな力がみなさんに届いたんじゃないかな』って気持ちは、ちょっとしているんですよ」と感謝の言葉を口にした。

 12年前の東日本大震災で被災し「1人だったらきっと、何もできなかったなという記憶とちょっと似ていた」。だが、羽生は必ず壁を乗り越える。「みなさんの力が羽生結弦という1つの存在に対して集まったからこそ、絆があったからこそ、力が伝えられた公演だったんじゃないかなと思います」と回想。その願いは多くのファンに届いたはずだ。