演技に込めた思いとは――。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、プロに転向した羽生結弦(28)が26日、東京ドームでスケーター史上初となる単独アイスショー「GIFT」を開催。会場に詰め掛けた3万5000人のファンを魅了した。

 前編の最後に選択したのは、昨年の北京五輪で演じたショートプログラム(SP)「序奏とロンド・カプリチオーソ」だった。本番さながらの6分間練習を終え、会場は静寂に包まれた。リンクの穴にハマってしまった4回転サルコーを成功させると、大歓声が沸き起こった。

 なぜ、あえて北京五輪を連想させたのか。羽生は「北京五輪でやり切れなかったという思いが強くあったプログラムです」と切り出した上で「あのプログラムには『夢をつかみ切る』という物語が自分の中にはあります。この『GIFT』というストーリーの中にも夢という存在がものすごく大きくありました」と意図を明かした。

「因縁のサルコーです」と苦い思い出を払拭するかのようなパフォーマンス。しかし、羽生は満足していない。「逆にまだまだつかみ切れてない夢も。もちろん4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)だったりとかありますけど、それに向けて『これからも突き進むんだ』みたいなイメージを込めて滑らせていただきました」と力強く語った。

 まだ見ぬ景色を求める姿勢は、今も昔も変わらない。羽生の物語はこれからも続いていく。