苦戦はいつまで続くのか。東京マラソン(東京都庁前発―東京駅前着)が5日に行われ、男女ともにアフリカ勢が頂点に立った。日本勢は男子の山下一貴(25=三菱重工)が7位、女子の松田瑞生(27=ダイハツ)は6位が最高位。改めて世界との差が浮き彫りとなる中、陸上関係者はアフリカ勢の〝天下〟が続く背景を指摘した。
世界のトップクラスの選手たちに歯が立たなかった。日本勢の男子は30キロ過ぎまで複数の選手が先頭集団につけるも、35キロ過ぎで海外勢がスパートをかけると、差がみるみる広がった。最後はデソ・ゲルミサ(エチオピア)がゴール直前の競り合いを制して2時間5分22秒で優勝。女子は優勝したローズマリー・ワンジル(ケニア)が2時間16分28秒をマークした一方で、松田は5分16秒遅れの2時間21分44秒でゴールした。
日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏は「力がないと言えば、ないですね。トラックでも戦える選手で、マラソンにも来られる選手がいないと、なかなか優勝争いは難しい」と厳しい現実を受け止めた。
かつての日本は1992年バルセロナ五輪で男子の森下広一、女子の有森裕子が銀メダルを獲得。2000年シドニー五輪は女子の高橋尚子、04年アテネ五輪は女子の野口みずきが金メダルに輝くなど、マラソン強豪国として名をはせていた。しかし、近年は目立った戦績を残せてない。
今後も海外勢の〝天下〟は続くのか。五輪出場経験を持つ陸上関係者は日本勢が苦戦を強いられている背景について「マラソンはお金がよく入るようになったので、トラックからマラソンにスライドする選手が増えた。マラソンはトラックよりも破格の値段がつくし、1回の(体への)ダメージは大きいけど、お金がいいのでみんなそっちに行きますよね。アフリカ勢には、スピードが苦手だけど長い距離は走れる選手が結構いる」と指摘した。
世界6大会による最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」の一つに数えられる東京マラソンの優勝者は、賞金と副賞込みで1100万円を獲得。さらに1位の選手が世界記録を出した場合は、3000万円のボーナスも支給される。現代マラソンは一獲千金のチャンスを秘めているだけに、今後もアフリカ勢を中心に有望選手が続々と参入してくることが予想される。
レース後に悔し涙を流した松田は「地道に今の努力を継続した先に何か得るものがあるし、結果を残せると思うので、これからも挑戦する姿を見せられたら」とリベンジを誓ったが…。〝世界の壁〟を打ち破ることはできるのか。












