フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、プロに転向した羽生結弦(28)が26日、東京ドームで開催したスケーター史上初となる単独アイスショー「GIFT」を終え、演技の〝キーワード〟を明かした。

 2014年ソチ五輪でアジア男子初の金メダルを獲得すると、18年平昌五輪では66年ぶりの2連覇を達成。個人最年少の23歳で国民栄誉賞を受賞するなど、輝かしい功績を残してきた。その一方で、王者にしかわからない苦しみがあったのも事実。それでも、懸命に前へ進んできた。

 そんな羽生は、スケートを通して自らの物語を演じきった。〝1人〟の怖さを知るからこそ、伝えたい思いがあった。「もちろん自分自身が今までの人生の経験の中で、1人ということを幾度も経験してきましたし、実際に感じることもいまだにあります」と切り出した上で、こう語った。「それは僕の人生の中で常につきまとうものかもしれないです。ただ、それは僕だけじゃなくて、大なり小なりみなさんの中に存在しているもの。みなさんにとってもきっとこういう経験があるんじゃないかなってつづった物語たちです。少しでもみなさんの、1人という心に贈り物をというか、1人になった時に帰れる場所を提供できたらいいなと思って『GIFT』をつくりました」

「GIFT」は一日のみの公演。「フィギュアスケートならではの一期一会な演技が1つずつできたことに関しては、自分自身、すごく誇りに思っています。少しでもみなさんの中でほんの1つのピースでもいいので、記憶に残ってくださったらうれしいなと思います」。唯一無二の演技は、東京ドームの歴史に刻まれた。