すべてはススキノから始まったのか…。9日未明、「ルフィ」の可能性がある4人が日本国内にそろった。広域強盗事件でルフィなどと名乗り犯行を指示した疑いがある渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者がフィリピンから強制送還され羽田空港に到着。警視庁は特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で2人を機内で逮捕した。渡辺容疑者はリーダー格とされる。7日には今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者が同様に送還、逮捕されており、4人の取り調べが始まる。このうち3人が北海道出身で、出会った場所が札幌の繁華街・ススキノ――いったいここで何があったのか?
ススキノの水商売関係者は「ススキノは昔から表面的には華やかな街だけど、(1997年に)拓銀が経営破綻してから、ずっと景気が悪いままです。暴力団もススキノでのシノギがなくなり、覚醒剤をシノギにするようになり、ススキノに覚醒剤がまん延し、ワルが集まるようになった。そして、20年前ぐらいから“オレオレ詐欺グループ”の拠点の多くが札幌に置かれ、内地の人をターゲットにしたんです。ルフィがフィリピンを拠点にしていた感じですかね」と明かす。
実際、2000年代前半から、札幌ではオレオレ詐欺グループが続々と摘発された。05年には、自衛官の息子を装い、「戦車を運転中に駐屯地の門にぶつかり、戦車と門を壊してしまった」と母親から現金をだまし取る詐欺事件が起き、そのグループは逮捕された。自衛隊員の息子を持つ母親を、息子と連絡が取れない期間にピンポイントでだます手口で、“ターゲットリスト”の正確さが警察関係者を驚かせた。
渡辺容疑者と藤田容疑者は約20年前からの付き合いだったといわれる。渡辺容疑者は10代で客引き、20代ではススキノで若者向けのミュージックパブを経営するも数年で閉店した。藤田容疑者は専門学校卒業後、不動産会社に勤務するも横領がバレてクビ。ススキノで働いていたとみられ、2人がススキノで知り合ったことが分かっている。
そして、今村容疑者も20代前半に、ススキノで客引きをし、その後、ニュークラブを経営するも、数年で店をつぶしたようだ。同じ水商売同士だったのか、ワル同士でウマが合ったのか、渡辺容疑者と今村容疑者はススキノ時代から「地元の友達」だったことが報じられている。3人はススキノで知り合っていたというわけだ。
「渡辺容疑者のパブは“嫌がらせ”を受け、つぶれたというウワサがあります。薬物関係なのか、みかじめ料がらみなのかは分かりませんが。今村容疑者は覚醒剤で身を滅ぼし、経営がおろそかになったというウワサがありますし、2人はこのくらいの時期から暴力団関係者との交流を深め、闇社会へどっぷりはまっていったと言われます」(同)
今村容疑者は08年に風営法違反容疑で逮捕され、16年にはひき逃げ事件でも逮捕されている。渡辺容疑者と藤田容疑者は12年、一緒に金庫強盗で逮捕されている。
「渡辺容疑者の子分格が藤田容疑者で特殊詐欺グループを作った。今村容疑者は別の犯罪グループ。札幌を拠点にした特殊詐欺グループが摘発されるたびに、ススキノのワルたちは『次はフィリピンに拠点を移そう』という話になっていたそうです」(同)
時期ははっきりしないが、渡辺・藤田容疑者はフィリピンに渡り、アジトとして廃ホテルと多数の“飛ばし携帯”を用意し、小島容疑者とともに特殊詐欺グループとして遠隔で特殊詐欺を行った。その後、今村容疑者もフィリピンに渡り、合流したとみられる。アジトは19年、フィリピン当局に摘発され、日本人の“掛け子”36人が身柄拘束された。
たまたまなのか、その時、アジトにいなかった4人は逃亡。フィリピン当局は20年3月に今村容疑者、21年2月に藤田容疑者、同年4月に渡辺容疑者と小島容疑者の身柄を拘束。4人が入管施設ビクタン収容所で再集結した。その中でも特殊詐欺を続け、さらには“闇バイト”で実行役を募り、強盗を行わせた。60億円以上の被害が出たとされる。
4人が日本にそろい、いよいよ警察が全容解明に着手する状況になった。












