ゴーン被告は無事なのか――。イスラエルがレバノンへ過去最大となる攻撃に踏み切り、トランプ米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に自制を促しているが、制御できない状態となっている。多数の民間人が犠牲になっており、日本から現地に逃亡しているカルロス・ゴーン元日産自動車社長の身も案じられている。

 米とイランの停戦協議が進む中、イスラエルは8日、レバノンの首都ベイルートをはじめ、各地に大規模な空爆を仕掛けた。イランの支援を受けるイスラム教シーア派組織のヒズボラはレバノンを拠点としており、イランは猛反発。停戦合意の条件にレバノンへの攻撃停止を米側に求めた。トランプ氏はネタニヤフ首相にレバノンへの攻撃縮小を要請したが、応じていない。

 中東メディアによると303人が死亡し、駐留する国連平和維持要員(PKO)にも犠牲者が出た。著名な詩人が空爆に巻き込まれ、ガレキの中から発見されたことがニュースになると、日本ではゴーン被告を心配する声が相次いだ。ゴーン被告は会社法違反(特別背任)などの罪で2018年に逮捕され、保釈中の19年に楽器箱の中に身を潜め、関西空港からプライベートジェットでレバノンへ逃亡していた。

 24年12月にゴーン被告は現地から日本外国特派員協会のオンライン会見に出席し、「レバノンでは教育やスタートアップ、ビジネスなど多くの活動にかかわっている。自身の権利を守るために法的対応にも多くの時間を費やしている。将来的には再び自由に世界を移動できるようになりたい」と話していた。

 他国へ移動すればインターポールから国際手配されている身で、拘束リスクがあり、現在もレバノンにとどまっているとみられる。フェイスブックの公式アカウントは先月30日の更新が最後になっている。

 日本からの脱出に成功したゴーン被告だが、レバノンは安穏の地とはいえない状況だ。