〝人類史上最速の男〟が巨額損失だ。陸上男子短距離で2008年北京五輪から3大会連続2冠に輝いたウサイン・ボルト氏(36=ジャマイカ)がまさかの〝詐欺被害〟にあっていた。
ジャマイカ紙「Gleaner」によると、ボルト氏は、投資会社「ストックス・アンド・セキュリティーズ・リミテッド」(SSL)に、これまで10年以上にわたって資金を預けていた。しかし11日に自身の口座を確認したところ、多くの資金が消えていることが判明したという。
同紙は、ボルト氏のマネジャーを務めるウォーカー氏が確認した話として「SSL社が行った独自の内部調査では、元従業員が不正行為に関与していることを示唆しており、ボルト氏の口座から資金を抜き取るなど、大規模な詐欺に関与。この問題を関連する公的機関に報告した」とし、ボルト氏に多額の損害が出ていると報じている。
現在は、ジャマイカの金融調査局と金融サービス委員会(FSC)がSSL社を監視下に置いている。FSCは「詐欺疑惑の報告を受けた」とし「SSLに関する問題について調査を続けている」との声明を出した。また、SSL元従業員の代理人弁護士タミカ・ハリスさんは、詳細な説明を拒否し「SSLとSSLの弁護士と話し合いを行っている」とコメントしたという。
ボルト氏は男子100メートルで9秒58の世界記録保持者で、五輪3大会でリレーも合わせて8個の金メダルを獲得した陸上界のスーパースターとして知られる。2017年に現役を引退すると、プロサッカー選手への転向を表明。ドイツ1部ドルトムントやオーストラリア1部セントラルコーストでテストを受けるも、入団交渉はうまくいかず、19年に断念し、今後は「ビジネスに専念する」と表明していた。
ボルト氏は、米誌「フォーブス」が発表した17年のスポーツ選手長者番付で3420万ドル(約43億4000万円)を稼ぎ、23位にランクインするなど、約10年にわたるキャリアを通じ、陸上界でもっとも稼いだアスリートでもある。同紙は「まだ調査は進行中のため、ウォーカー氏は失った金額や調査対象の期間について〝開示することはできない〟と言った」とし、英「BBC」など各メディアは被害額を「数百万ドル」と報じている。
しかし、ノルウェーメディア「AFTENPOSTEN」は「詐欺師は〝洗練された〟方法を使用して、投資会社であるSSLから約1億ノルウェークローネ(約13億円)相当の株式と債券を盗んだ」とし「ボルトは1年間で6000万ドル(約76億2000万円)をだまし取られた」と報じており、巨額損失を被ったとみられている。
ボルト氏は世界中で行われる各種イベントにも参加し、競技の普及にも尽力しているが、まさかのトラブルに何を思うのか。今後の動向も注目されそうだ。











