プロレス観や気になる話題を獣神サンダー・ライガーが語る「獣神激論」の特別編は、新日本プロレス旗揚げ50周年の集大成となる1・4の東京ドーム大会を解説。最終回は大会のダブルメインイベント、IWGP・USヘビー級選手権(王者ウィル・オスプレイ  vs 挑戦者ケニー・オメガ)と、IWGP世界ヘビー級選手権(王者ジェイ・ホワイト vs  挑戦者オカダ・カズチカ)だ。

【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論・特別編(5)】今大会のダブルメインイベント1試合目はIWGP・USヘビー級選手権。今のこの2人の力だと、ドームひっくり返るんじゃないかな。ワクワク感しかないもんね。他に何かある? 海外勢から見たら、この試合がメインだよ。海外からこの試合を見に来る人もいるんじゃないかな。

 今のオスプレイはオーラをまとってるよね。トップもトップですよ。気を付けないとWWEに引き抜かれるぞ、アイツ。もしかしたら新日本50年の歴史の中でベストの外国人になるんじゃない? すべてを兼ね備えてるもんね。あれだけ体をボリュームアップして、あれだけの空間を利用した技を的確に当ててくるからね。飛距離は落ちてないし。アイツ、どこまで伸びるんだろうって思う。

 でも、ケニー・オメガも過去にベストだと言われてたでしょ。彼にだって意地がある。米国のAEWのトップとして、団体の長として「かかってこい」ってところがあると思うよ。

 どのレスラーもそうだけど、お山の大将ばっかり。そうじゃないとリングに上がれないから。そういう意味でケニーとオスプレイってすごい対抗意識があるだろうね。

 ケニーはコロナだなんだの要因を全部省いて「新日本の客入りが落ちた理由はお前のせいだ」ってオスプレイに言い切っている。完全な挑発だよね。彼はそういうのがうまいよ。いざ試合が始まれば「これを見に来たんだよ」っていうものを見せてくれるんじゃないかな。

 そして大トリのメインイベント第2試合はIWGP世界ヘビー級選手権。もうね、ジェイ・ホワイトは色気があるんだよね。入場口から出てきてリングに向かう時、色気ムンムンだもんね。いや~すごいレスラーになったよ。オスプレイはどちらかと言えば、真っ赤に燃える炎をまとった猪突猛進型。ジェイは妖艶というか、魅了するよね。例えるなら青白い炎みたいな感じだね。

 でも、そのジェイの青白い炎を消し去る明るさを、オカダは持ってると思う。陰と陽の戦いじゃないかな。過去の戦績としてはジェイの4勝1敗だけど、オカダは今年のプロレス大賞でMVPとベストバウトの2冠を取ってるでしょう。ジェイが来ようが何が来ようが、俺が明るく全部染めてやるぞっていうのはあると思う。今は自信満々なんじゃないかな。

 今年1年の新日本を占う意味でもこの試合は大きいよ。その分、プレッシャーもあると思う。でもそのプレッシャーは、プロレス大賞2冠をはじめとした彼への評価が和らげてくれてるはずだよ。自信って人を大きく変えてくれるからね。

 この2人は2019年4月に米国のマジソンスクエア・ガーデンのメインで戦ったことからも分かるように、世界中のどこだってメインを張れるよ。今回のダブルメインイベントは両方そんな試合だから、お客さんにとったら『ようやってくれた!』って思えるカードなんだと思う。僕もそれだけのものを見せてもらえると、期待しているしね。

 最後に改めて、この大会はアントニオ猪木さんの追悼大会として行われます。僕が入った頃の新日本プロレスって、いろんな試合があったんです。若手の試合、永源(遥)さんや(ドン)荒川さんのちょっとコミカルな試合、長州(力)、藤波(辰爾)のイデオロギー抗争、最後は猪木さんと坂口(征二)さんが締めるっていうね。

 そういう〝おもちゃ箱〟をひっくり返したような大会を再現してくれると思います、今回の1・4は。新日本プロレスが金曜8時の支持を得ていた、そういう面白みのある興行。それを1・4で堪能してほしいですね。さらにパワーアップしてお披露目されるはずです。天国の猪木さんも見たら「頑張ってるな、フフフ」って笑ってくれてると思うよ。