【カタールW杯 森保ジャパン 表と裏②】森保ジャパンはカタールW杯で目標の8強以上には届かなかったが、優勝候補のドイツとスペインを次々と撃破して世界中から脚光を浴びた。その一方で格下のコスタリカに足をすくわれ、最後はクロアチアとの死闘の末に終戦。かつてないほど称賛と批判が渦巻いたチームでいったい何が起きていたのか。集中連載「カタールW杯 森保ジャパン 表と裏」第2回で徹底検証する。
森保ジャパンがこれまでW杯を戦ってきた代表チームと最も違うのが、深刻な批判や中傷に悩まされたことだ。
もちろんこれまでも注目度が高いW杯では結果によって称賛や批判を浴びるのが常だったが、現在はSNSがより広く浸透して、選手が一部ファンからの心ない言葉を直接目にする機会が増えた。中傷被害が社会問題化するケースも多い中で迎えたカタールW杯では、やはり懸念が現実となった。
初戦に優勝候補ドイツを撃破したことで日本では一気にフィーバーが過熱。しかし注目度が急上昇する中で迎えたコスタリカ戦で格下を相手にまさかの黒星を喫すると、称賛が反動となって猛烈な批判を引き起こした。
数人の選手が戦犯としてやり玉にあがり、途中出場のDF伊藤洋輝(シュツットガルト)は消極的なプレーを「バックパスマシン」などとやゆされて自身のSNSに批判が殺到して〝炎上〟する事態に。失点したシュートを止められなかったGK権田修一(清水)にも見るに堪えない言葉が浴びせられた。あまりの状況にMF本田圭佑が「安易な批判はやめるべき」と異例の呼びかけを行ったほどだ。
こうした世論の異常な〝手のひら返し〟は選手たちのメンタル面に大きなダメージを与えた。
MF田中碧(デュッセルドルフ)は1次リーグ突破を決めたスペイン戦後に「いろんな選手がいろいろ言われているのを見て、正直腹が立つ部分もあった。同じ国民なのに、なぜ一緒に戦ってくれないのか」と怒りをあらわに。批判の対象になった権田も「この予選(1次)リーグは天国と地獄を両方見た」と吐露。「良い時は持ち上げるだけ持ち上げて、ダメになったら落とすところまで落としてというのは、これが人間なんだなとこの大会で感じた」と複雑な胸中を口にした。
非難の嵐が暴風域となったコスタリカ戦後の11月28日、異常とも言える世論の過熱ぶりを察した森保監督は「勝てばうれしいけど、負けてもジェットコースターのようにならないように。いろんな考え方もあるし、いろんな見られ方もあると思うけど」と発信し、なんとかチームを落ち着かせようとした。
伊藤は大会を終えて「大会の規模、大きさ、独特の雰囲気も含めて全サッカー選手が目指す舞台だと改めて思った」。W杯が巻き起こす熱狂とどう向き合うのか、今後問われることになる。












