〝常識〟を覆す。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、プロに転向した羽生結弦(27)が、スケーター史上初となる単独での東京ドーム公演を発表。来年2月26日にアイスショー「GIFT」を開催する。プロ初の単独公演「プロローグ」は5日に青森で千秋楽を迎え、2都市5公演はいずれも大盛況。今も圧倒的な集客力を誇る一方で、今度のドーム進出はフィギュア関係者のみならずイベントのプロをも驚がくさせている。
青森で開かれた千秋楽公演のラストにサプライズが待っていた。場内スクリーンに「GIFT」の要項が表示された瞬間、観客は大歓声。羽生は「正直、緊張しています」と苦笑いを浮かべつつも「物語が主体で、その中に僕のプログラムたちがいろんな意味を持って存在している絵本のような物語を鑑賞してもらえたら。ぜひ期待していただければと思います」と思いを語った。
会場となる東京ドームの収容人数は5万5000人。まさにスケート界の常識の枠を超えたメガイベントとなる。今回の「プロローグ」は神奈川・横浜会場(ぴあアリーナMM)が約8000人、青森・八戸会場(フラット八戸)は約3000人。いずれも満員だったとはいえ、次元が全く異なるのは一目瞭然だ。
数々のイベントに携わってきた経験があるフィギュア関係者も「主催側などは客席がガラガラになってしまう怖さを考えてしまうので、普通のスケーターだったらできない。東京ドームでやれるのは本当にないこと」と驚きを隠せない。
大手イベント会社の関係者によると、興行開催の枠を東京ドームで確保するのは至難の業だという。実際にアーティストの場合はCDの売り上げなど厳しい条件が課せられていることから、同関係者は「1人で公演を行うのはすごいと思う。ほとんど記憶にないし、スポーツではなおさら記憶にないですね」と目を丸くした。
スポーツに限って見ても、プロ野球などの団体競技が毎年のように実施されているが、アスリート単独では異例中の異例と言えるだろう。
その羽生は「自分の物語は最初、恩返しから始まるかなと思っているので、このタイトルをつけました。物語自体がみなさんへの贈り物になってほしいですし、またその物語に含まれている自分のプログラムたちが、またみなさんへのギフトになればなと思います」と公演のタイトルに込めた思いを説明した。
目指すのは、既存の枠組みを超えた〝唯一無二〟のアイスショー。競技を離れても、目標を定めて挑戦し続ける姿勢が変わることはない。












