ドーハの奇跡だ! 森保ジャパンがカタールW杯1次リーグE組初戦のドイツ戦で2―1と逆転勝ちし、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。4度のW杯優勝を誇る強豪に先制を許すも、試合終盤にFW浅野拓磨(28=ボーフム)の劇的な決勝ゴールで勝ち越し、大金星をゲット。国民的ヒーローとなる一発を生んだのは、自身の批判に対する強烈な反骨心だった。
日本に歴史的快挙をもたらしたのは“ジャガー”だった。1―1で迎えた後半38分、DF板倉滉(ボルシアMG)が自陣のFKから前線へロングパスを送ると、右サイドから浅野が快足を飛ばして相手DFを振り切り、世界最強のGKマヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)の顔面をかすめるようにニアサイドへ弾丸シュートをぶち込んだ。
見事な決勝ゴール。試合終了の瞬間、ピッチ上にはイレブンの歓喜の輪ができ、スタジアムは大歓声に包まれた。浅野は「ニア上を狙ったわけじゃないけど、思いきってシュートを打った結果があそこに行った。単純に、自分持っているなと思う」と言ってのけた。開幕前には「自分がヒーローになっている形しか想像できない」と豪語していた通りの活躍だ。
歴史的ゴールの裏には批判への反骨心がある。指揮官の広島時代のまな弟子ということもあり、招集のたびに“コネ”などとやゆされてきた。特に今季は無得点で9月中旬には右ヒザ内側側副靱帯を断裂し、実戦復帰しないままW杯メンバーに選出されて大きな批判が噴出した。
さらに17日の国際親善試合カナダ戦(UAE)で実戦復帰したときには、元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が自身のユーチューブチャンネルで「また取られたヘボ!」「守備するのはいいけど、お前が取られるからなんだよ! キープしてくれるだけでどれだけ後ろが助かるか」などと「ヘボ!」を連呼される屈辱を味わった。
それでも「こういう日を僕が迎えるとは、メディアの皆さんも何人の人が思っていたかなと…。でも信じてくれた人たちのためにも準備してきた。この4年間、いろんな声だったりを耳にしたし目にしたし…感じることもあった。けど、無視してやってきてよかった」と批判に対する思いを吐露した。
さらに自身のツイッターでダメ押し。「悔しいことも嬉しいこともムカつくことも全てが今日、この瞬間に繋がってる。(中略)批判してくれてる方、感謝はしてないですが、それも今日に繋がってます」と投稿した。
批判と向き合い、4年前のロシアW杯はメンバーから落選。バックアップメンバーにとどまった悔しさも糧にできたからこそつかんだヒーローの座だった。











