〝サラブレッド〟の覚醒はなるか。大相撲九州場所7日目(19日、福岡国際センター)、元横綱朝青龍を叔父に持つ関脇豊昇龍(23=立浪)が幕内若元春(29=荒汐)を下して6勝目(1敗)。相手を突き起こして2本差すと、高々とつり上げてから鮮やかに外掛けを決めた。取組後は「自分の相撲を取り切るように集中して取りました。勝ったから良かった」と胸を張った。

 新三役の春場所から4場所連続で勝ち越すも、2桁白星は未経験。大関候補の一角と目される一方で、安定感が課題とされてきた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は5勝目を挙げた6日目に「安易に張り差しにいくのではなく、圧力をかけてまわしを取らないと。ラクをして勝とうとしている。今の状態ではダメだ」と注文をつけていた。

 厳しい言葉は、期待の大きさの裏返しでもある。この日は立ち合いからの積極的な攻めで完勝。協会トップも「これが目指す相撲だろう。立ち合いから安全にいかずに積極的に攻めた。これを続けることだ。その日によって立ち合いを変えず(常に)踏み込んでいけば安定する」と及第点を与えた。

 今場所は横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)が両ヒザの手術を受けた影響で不在。大関陣も格下相手に取りこぼす中、役力士では唯一の1敗を守って優勝争いの先頭を走っている。一年納めの場所で、期待の大器は一皮むけた姿を見せられるか。2桁白星で大関取りの足掛かりをつくった上で、初賜杯を狙いたいところだ。