故郷のボルテージも上がってきた。大相撲九州場所6日目(18日、福岡国際センター)、元大関の幕下朝乃山(28=高砂)が、十両徳勝龍(36=木瀬)を一気に押し出して無傷の4連勝。幕内V経験者2人が十両の土俵に上がる異例の対戦で勝ち越しを決めたが、取組後は「自分は番付が幕下なので、そういうこと(互いに優勝経験があること)は考えず、一日一番自分の相撲を取りきることだけ考えました」と冷静に振り返った。

 コロナ対策の規則違反による6場所出場停止処分を経て、7月の名古屋場所での復帰後初めて大銀杏姿を披露。これには客席が沸いただけでなく、地元からも熱い視線が送られた。朝乃山富山後援会の北森正誠副会長は「貫禄相撲でした。大銀杏が効いてるんじゃないですか」と頬を緩ませた。

 朝乃山の処分後、同会はパブリックビューイング(PV)などの活動を休止している。この日は約1年半ぶりに〝晴れ姿〟で土俵に上がったが、北森副会長は「分かったのが急だったので、人を集めることができなかったし、取組の時間帯が午後3時前後だと(関係者が)仕事などで都合がつかないというのもありました」とPV開催を断念。ちなみに会場の富山・呉羽会館がBS放送に対応しておらず、通常午後1時から同3時までの中継を視聴できない事情もあった。

 それでも関取復帰に前進する白星に、北森副会長は「それなりの地位に就けばみんな、心置きなく見に来てくれると思います」と再開を心待ちにしている。

 朝乃山は「いろんな思いがこみ上げてきた。今日は大銀杏で黒まわしだったんですけど、来場所は大銀杏で締め込みして戦いたいです」ときっぱり。平常心を貫き、全勝Vで再十両を決めるつもりだ。