大相撲名古屋場所11日目(22日、愛知・IGアリーナ)、大関から陥落した関脇安青錦(22=安治川)が幕内豪ノ山(28=武隈)を寄り切って10勝目(1敗)。1場所での大関復帰を決めた。今場所8日目に左足親指を負傷したが、逆境を克服。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)は安青錦の驚異的な精神力に目を見張った。
安青錦が10勝目を挙げて大関返り咲きを決めた。低く踏み込んで左前まわしを引くと、出し投げで崩して寄り切り。2019年九州場所の貴景勝以来、7人目(8例目)となる1場所での大関復帰を確定させた。大関カド番だった夏場所は左足首のケガで全休。間が悪いことに、6月には関脇転落が決まった中で大関昇進披露宴が開かれた。
今場所8日目には新たに左足親指を負傷。この日も左足全体を覆うように分厚いテーピングを巻いて土俵に上がった。苦境を乗り越えて大関復帰を決めた取組後は「(今までは)10番勝ってもうれしい気持ちはなかったけど、今回は特別。普通にうれしい。とりあえず10番勝てて良かった」と安堵の表情を浮かべた。その安青錦について、秀ノ山親方はメンタル面の強さに注目する。
「この日も低い体勢から攻める安青錦らしい相撲だった。普通は、あれだけ低く踏み込むと自分の体重が足に乗って激痛が走るはずなんですよ。逆に重心が高ければ、足への負担は軽くなる。心が折れるぐらい痛いはずなのに、安青錦は表情一つ変えずに自分の低い立ち合いを貫いていた。(負傷後の)3日間とも、土俵を下りるまでは淡々と振る舞って弱みを見せないところに、精神的な部分での底力を感じた」
その上で、秀ノ山親方は「安青錦は、ケガをするまでスピード出世だった。ケガの怖さや向き合い方を十分に知らないまま、番付を一気に駆け上がってきたと思う。今回の逆境をはね返してつかんだ自信や学んだことが、これからの相撲人生にも生かされていくはず」と指摘。今後のさらなる飛躍に期待を寄せた。












