会心の戦いぶりだった。柔道の世界選手権4日目(9日、タシケント)、女子63キロ級決勝が行われ、堀川恵(26=パーク24)がカトリーヌ・ボーシュマンピナール(カナダ)を下し、初出場初優勝。同階級の日本勢では、2010年大会を制した上野順恵以来の快挙となった。

 初出場とは思えない冷静な試合運びだった。終了間際に、相手の一瞬のスキをついて得意の内股で一本勝ち。1992年バルセロナ五輪男子95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏は「相手が寝技に持っていこうとするところをうまく耐えて、上手に内股で切り替えた。逃げるわけではなくて、展開もちゃんと読んだ上での内股だったので、全体的によかったと思う」と褒めたたえた。

 松商学園高2年時の12年グランドスラム(GS)東京大会では、史上最年少の17歳1か月(当時)で優勝を果たした堀川。その後は勝てない時期が続いたものの、社会人3年目の20年7月に警視庁柔道部の選手と結婚したことが一つの転機となった。夫と二人三脚で柔道を極め、技の幅を広げる中で強さを取り戻した。小川氏も「全体的に試合運びとか、技を出すタイミングとかも以前見たときよりも上手になっている」と目を細めた。

 ついに視界に入ってきた五輪への道。苦節10年、悔しさを晴らすときがやってきた。