阪神は30日に甲子園球場で全体練習を行った。今季最終戦・ヤクルト戦(2日・甲子園)で勝てば、CS進出が決まる。だが、この試合に敗れれば、巨人の残り2戦の結果次第で、今季限り退任する矢野燿大監督(53)が期せずしてラスト采配となる可能性もある。

 指揮官は大一番に向け、今季6勝を挙げて台頭してきたプロ3年目・西純矢投手(21)の抜てきを明言。「若いうちにそういう試合を経験できるっていうのは、あいつにとってもいいこと」と期待を寄せた。

 チームには20代の主力が大勢を占める。指揮官は就任4年間で若い選手たちの将来を考え、プロで生き抜くための選択肢を増やす目的として敢行した「複数ポジション」での采配を徹底させてきた。しかし、それも今季で見納めとなる可能性が高い。

 次期監督に内定したOBの岡田彰布氏(64)は今季の阪神戦でテレビ解説等を務めた際、幾度となく「レギュラーのポジションは『固定』が基本」と論評。大山悠輔(27)や佐藤輝明(23)ら中軸を打つレギュラー陣の守備位置に関しても例外はなく、試合中に内外野で度々ポジションを変更するタクトに疑問を呈してきた。

 この〝聖域〟なき「複数ポジション」については岡田氏のみならず多くの評論家から、さまざまなが声が上がっている。「現場の中にいる人間(首脳陣)でない限りは、一概には言えない。そうせざるを得ない理由もあったりする」と擁護するOBもおり、今もなお賛否両論だ。

 当然、プロである以上は勝つことが、起用法を認めさせる一番の近道。球団関係者も「CSに進めれば、短期決戦は特に接戦で選手をやり繰りする場面は多くなる。これまでやってきたことが吉と出るのか否かは、余計に見どころかもしれない」と最終盤の成り行きを固唾をのんで見守っている。

 今季、かたくなに貫いてきた采配パターンで矢野監督は〝有終の美〟を飾れるか。