女子プロレス「アイスリボン」のトライアングルリボン王者・真白優希(21)が29日に現役を引退すると発表し、女子プロ界に波紋が広がっている。

 真白は「3年は思い切りやる」と決め、2020年8月9日の横浜文化体育館大会でデビュー。だが、高校時代からの夢だった看護師を目指すとし、大みそかの東京・後楽園ホール大会を最後に引退することを決めた。

 同団体は昨年、現在はデスマッチ&ハードコアユニット「プロミネンス」として活動する世羅りさや鈴季すずら5人が退団した他、雪妃真矢ら総勢8選手が離脱。今年5月には春輝つくしが引退し、取締役選手代表の藤本つかさが結婚に伴う無期限休業に入った。

 アイスリボンの佐藤肇社長は本紙の取材に「真白に関しては終わりが決まっているから、どこまで引き延ばせるかと思っていた。昨年末にあった(プロミネンス勢)5人の退団で奮起して、引退を伸ばしてくれたらなという希望はあったけど、頑固な子だからね。真白がいなくなるのは寂しいけど、1人辞めたからって会社が潰れるわけじゃないし、これからの子に期待しています」と語る。

 大量離脱を機に「アイスリボンは新陳代謝がいい団体になってきた」とし、今後はより選手の意識改革と新人発掘を強化し、新章の幕開けを目指すという。

「今年は世羅たちが引っ張って、藤本、つくし、真白というアイスリボンの形の最終章。今は準備期間ですね。5月にお披露目した(練習生)3人のうち、しのせ愛梨紗が(6月26日に)デビューしたけどデビュー戦でケガをして欠場している。他の2人もデビューに向けて特訓中。そこを補充できるようにスカウトであったり、きっかけが大切だと思っています」

 現在は後楽園ホールや横浜ラジアントホールなどでの通常興行に加え、アイドルとのコラボ興行「プリンセスパーティー」を定期開催している。ライブの合間にプロレスの試合を織り交ぜることで新しいファン獲得を狙う。

 佐藤社長は「過去にやっていたことをやるんじゃない。バカらしいことをやれるのがアイスリボン。土曜の昼間の試合をやり始めたのも、ラジアントホールで試合をし始めたのもアイスリボン」とした上で「今、アイドルとのコラボでプロレスを見たことない子に強制的に見せている。そうすることでアイドルのファンたちがプロレスを見てくれたり、実際アイドルの子がやってみたいと言って、エキシビションマッチに出たりしている。プロレスの裾野を広げているところです」と強調した。

 2006年6月20日に旗揚げしたアイスリボンは、生まれ変わることができるのか。