4度目の正直で叶えた。巨人の井上温大投手(21)が23日の中日戦(バンテリン)に先発し、6回3失点と好投。待望のプロ初勝利を手にした。

 初回は先頭・岡林にいきなり安打を放たれて出塁こそ許したものの、後続は抑えて上々の立ち上がりを見せた井上。直後の2回に吉川の先制適時打などから一挙3点の援護点をもらうと、徐々に勢いが付き始めた。

 3回には連打を浴びて一死二、三塁のピンチを招き、安部の内野ゴロの間に1点を失ったが、それでも粘り強い投球を継続。4、5回は打者3人で終わらせた。

 最大のピンチは9―3で迎えた6回。ビシエドにバックスクリーン右へのソロを被弾しすると、その後も二死一、二塁の場面で鵜飼に適時打を浴びてこの回2点を献上。それでもなんとか追撃を振り切り、自己最長となる6回を投げ切ると、今季4度目の先発挑戦にして念願の初勝利を飾った。

 井上は「まずは勝ててよかったなという気持ちがあります」と安どの表情。「今日は打者の内外にしっかり投げ分けることができたので、自分の持ち味の直球が投げ分けられればこういう結果になるんだなという事が分かりました」と手応えを掴んだ。

 首脳陣も、原監督が「悔しい思いもしただろうし、勉強の中でね、今日勝ち投手になれたという事が、これが彼のすべてだと思いますよ」と称賛すれば、桑田コーチも「投げるたびにすごく成長している。使い分けがだいぶできるようになってきた」と左腕の成長に唸った。

 これで球界最多となる1シーズン最多8人目のプロ初勝利を記録。育成落ちも経験した3年目左腕のうれしい初白星は、CS出場をかけて激しい争いを繰り広げるチームにとっても貴重な勝利に…。この1勝を大きな飛躍のきっかけとしたいところだ。